実は少し引いた視点で「昆虫観察日記」のノリ

――振り返って、ダンスィ育児の一番の醍醐味は何でしょう。

まき:本当に全然違う生き物なので、学ぶことが多いですね。

女の子なら、話して分かる部分があると思うんです。でも男子は「わかった。……でも、一応やってみないと」となる。

無事育ってしまったら笑い話で済むけれど、それまでは本当に命がけ。もう「いろんなことを勉強させていただいています」っていう感じですね。

――男子育児は未知との遭遇の連続ですよね。先輩ママの話も支えになります。

まき:先輩ママは本当のことを言ってくれますね。「つがとれるまではバカ」とかね。「七つ、八つ、九つときて、十(とお)で初めてつがつかない。男の子はつがとれるまではお話にならないからね」って。「そんなはずないだろう」と思ったことが全部本当でしたね(笑)。

ブログもママと赤ちゃんの楽しい日常みたいなものじゃなくて最初から「昆虫観察日記」みたいな感覚でした。幼虫を見て「今日はこんなモノ食べた。脱皮する前なのかな」っていうノリで、「今日はこんなに甘えてくると思ったら熱が出た」とか。

「どうして言うことを聞いてくれないの……。ママ悲しい」みたいなテンションだと煮詰まるので、少し引いたスタンスで描かざるを得ないんです。

――作品を描くこと自体がストレス解消にもなりそうですね。

まき:ブログはかなり息抜きになりましたね。最初はそんなつもりではなく、日々のグチみたいな感じだったんですけど。出がけにウンコされたおかげで保育園に遅刻した、とか。

ブログに書かなかったことはどんな面白いことも幸せなエピソードも忘れてしまうんですよ。描いたことだけが記憶に色濃く残っているので、描いてきてよかったなって思います。

ブログでも手帳にでも、こんなことを言ってくれたってメモしたり、絵が描ける人はかわいい似顔絵を描いたり、空き時間にちょっとメモするのでもいいと思います。

育児の時間ってアッという間です。後になって「こんなこともあったなぁ」って思い出せるので、残しておくっていうのは、おすすめですね。

肩の力を抜いて男子育児を楽しもう!

男児ママが思わず「あるある!」とうなずくエピソード満載、笑っているうちに不思議とストレスが消えていく、まきさんの作品群。

プレ男子を描いた「園児(エンジィ)のトリセツ」→ダンスィ感満載の「小学生男子(ダンスィ)のトリセツ」→破壊力MAXの「小学生男子のトリセツ 激動の高学年編」と読み進め、肩の力を抜いて男子育児をもっと楽しんじゃいましょう!

ライター。業界紙、エンタメ系雑誌記者を経て、現在フリーランス。日々の暮らしに「へぇ〜」のアクセントを提供したいと日々勉強中。関心あるテーマは教育、お金、哲学。好きな本のジャンルは児童書・YAで、特技は物語の世界に入りこむこと。