イマヤス:そして久々に辞書で調べちゃったんですけど『Stowaway』って密航者って意味なんですよね?

恭一:もとはね、『STOWAWAY』っていうアート展をこの春にやったんよ。『ピクチャーミュージック』って言い続けてる身としてね、アート展をやりたいっていう夢があったから。その時のアート展のタイトルが『STOWAWAY』でね。

ウォークマンがイギリスで最初に発売されたときの名前が“STOWAWAY”だったんよ。カセットをテーマにしたアート展やったって事も含めてパッケージしたいってのがあってね。インスト曲の『Stowaway』『Byway』『Doorway』はアート展のために宅録で3曲とも仕上げたんだけど、『Stowaway』はバンドでやっても面白そうだなあと思って録り直した。

イマヤス:この3曲でTOP、間、LASTっていう構成でアルバムがしまってますよね。アルバムの一本の筋が通ってますよね。

恭一:うん、インスト3つってどう組むかなあってのは最初あったんだけど、なんかうまくいったかなー。この3曲の順番は決まってたから。最後『Doorway』につなげるところがすごく難しかったんだけど。それで『ラオラウ』がライブの最後の曲の感じでね、影アナまで出てくるっていうね。ライブ会場からみんなが帰っていく時に『Doorway』が流れてるっていう感じね。

とにかくさぼろうとする自分を、やりたいっていう遊び心にもっていく努力をして、ちょっとお金も使う

イマヤス:ちなみに創作モードに入る時の切り替えはどうやってるんですか?

恭一:とにかくね、自分というサボり癖の強い人間をどう調教するかっていうところから始まる。とにかくやらなきゃって思えば思うほどサボりたくなる(笑)

だからいつもやる事は、使ってみたかった機材を買う。その使い方を覚えていくとそれを使いたくなる。とにかくさぼろうとする自分を、やりたいっていう遊び心にもっていく努力をして、ちょっとお金も使う、これ、歴史的に。

だからレピッシュ時代から、必ずそのタイミングで機材が増えてる。そんなときじゃないと使い方も覚えないんだよね。好きな事をやっているくせに、そこに責任が生まれてくるとサボリたくなって急に必要以上にエロサイトを見てしまう。

で、ある脳科学者が言ってたけど、それを見ると創作意欲が著しく落ちるらしいんよ。で、あ!これはいかん!!!こんなものを観ていたら創作意欲が落ちる!と思って今度はタイガース!野球!ってなる。夜になってナイター見始めると、・・・あー今日も野球の事ばかり考えて1日仕事がなんもできんかったってなる(笑)

イマヤス:恭一さんと水戸さんの野球の話はすごいすよ。ディープすぎて。俺、青森でご一緒した時にタクシーで僕が助手席で後ろで恭一さんと水戸(華之介)さんがしゃべってて。運転手さん入りたくてしょうがないんですよ。この人、入りてーんだろーなって感じ。もうすげー頷いてるんすよね。

恭一:むかしはそれを現ちゃんとやってたんだけどねー。今はもう水戸くんくらいしか野球の話できる人いないから。世の中の趣味が多様化していくと天気みたいな共通の話題ってもう少ないやん。よっぽどオリンピックのすごい事があったとか。

まあ野球でもこないだ大谷が165km出したとかだったら話題になるけど。20年前は普通にみんなタイガース勝っただ、ジャイアンツ勝っただって話できた時代だからねー。最近は共通の話題って無いよねえー。

イマヤス:今回のツアーも楽しみですね。どんな風に演るのか今考えてる感じですか?

恭一:とにかく新曲を演奏して聴かせる事がすっごい楽しみ。イメージではこの曲はこの辺のこういう役割かなあとかってセットリストを作ってるけど、演ってるうちに変わってくるからねー、曲の存在感て。戦力外通告される曲も出てくるし。これはもうCDでいいだろうって。

イマヤス:必ず出てきますよね。アルバムって。全部できるようにやってるつもりなんですけどね。

恭一:まあ、ライブで聴くのとCDで聴くのと違う楽しみ方になるんだろうね。

イマヤス:さっきアートの話がでましたけど、今後もアート的な活動も行っていくんですか?

恭一:そういう高尚な意味合いってのはまったく無くて、さっきの野球が好きってのと同じレベルでね、俺にとっては。ただ、せっかく4人でああいうアート展やったから今回のアルバムのアートワークやPV制作も『STOWAWAY』のチームでやってる。あの時の事が入り込んだアルバムだから。いろんな意味で面白い。中の写真とかもすごく良いんよ。

イマヤス:このジャケ写も素晴らしいですよね。恭一さんにあってますよね、アート的なもの作りとか。

恭一:まあ、若い頃、志してたところもあったからね。デザイン事務所で働いている時にそこの人たちがミュージシャンが考えてる事とものすごく同じだったっていうか。たまたま自分のデザイン事務所の人達はロック好きな人が多かったってのもあるんだけど。フィッシュボーンもそこのコピーライターの人に教えてもらった。こんなのが出たぞ、って。そしたらね、前座演るんだもんね。すっげー縁だなって。

イマヤス:そういえば恭一さん・・・以前フィッシュボーンとの対談インタビューに行かなかったでしょ?? 現さんしかいなかったですよ。外タレ待たせます?? 普通。あのときの記事、現さんがいつもよりまじめだったんですよね(笑)

恭一:今だったら30分前に行くよ。あのころは起きれなかったからね(爆笑)

『STEREO 8』

杉本恭一『STEREO 8』
発売日:11月16日(水)
TECH-28494 / 2,593円(+税)

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