親の収入が子どもの四年制大学への進学率に大きく影響していると、文部科学省の発表にもある通り、近年、経済格差の学力格差への影響が注目されています。

また、子どもの学力格差がそのまま子どもの経済格差にもつながることも多く、親としてはもっとも注目すべきトピックの一つではないでしょうか?

しかし、なぜ親が高収入である場合、子どもの学力が高くなるのか、その理由をきちんと理解している人は多くないはず。

大学や塾に行かせられる金銭的余裕があるから? 実はその根本に潜む大きな違いがあったのです。

今回はロンドン在住のノンフィクション作家、イアン・レズリーさんの著書『子どもは40000回質問する』から、高所得層と低所得層の子どもの学力に格差が生まれる本当の理由、そして親が子どもの学力格差を埋めるために行うべきことは何か?を読み解いていきます。

なんと学力格差は◯◯◯◯◯格差の影響だった!

まずここで一番最初に読み解かなければいけない問題は、「そもそも直接的に何が学力の格差に影響を及ぼしているのか?」という部分です。

イアン・レズリーさんは、もちろん学力にもともとの知能が大きく影響することを前置きしつつ、

「イギリスでエリート養成校の学生を対象に長期間の研究を行ったところ、試験の結果を左右する要因として、性格的な特性が知能よりも四倍も大きな影響を及ぼしていることが明らかになったのだ。」
出典(『子どもは40000回質問する』 著・イアン・レズリー)

と語っています。勤勉さや粘り強さ、自制心などが、子どもの学力には大きく影響を及ぼすのだそう。

そして近年これらの性格的な特性と同じくらい注目されている要素として知的好奇心を挙げ、

「知的好奇心の強さは、知識を習得し、新しい考えを吸収する意欲にほかならない」出典(『子どもは40000回質問する』 著・イアン・レズリー)

と、学力にはその子どもの持つ知的好奇心が大きく影響していることを指摘しています。学力格差=知的好奇心格差ということが言えそうです。

つまり、高所得層の子どもたちは塾や大学に行けるという経済的な理由以前に知的好奇心が高い、ということになります。それでは、高所得層と低所得層の子どもの知的好奇心格差はどのように表れるのでしょうか?

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