生活感に満ちただらしない姿が魅力です! 『かんなぎ』のナギ

『このすば』のアクアを紹介したところで、次にその名前を挙げておきたいのが、『かんなぎ』のメインヒロインを務めるナギ様です。

武梨えり先生の同名コミックを人気アニメスタジオの「A-1 Pictures」がアニメ化した本作は、アニメーションの高いクオリティに加えて、戸松遥さんが歌うオープニング曲『motto☆派手にね!』もヒットを記録。当時、アニメファンの間で話題を読んだ作品であり、2012年にはブルーレイボックスもリリースされました。

主人公、御厨仁の前に突如として顕現した自称「産土神(うぶすながみ)」の少女、ナギと周囲の人々の交流を描く、ほんのりファンタジックで、尚且つ妙に生活感に溢れた作風が特徴で、ナギ様も非常に人間臭い……良い意味で、俗っぽいキャラクターとして描かれています。

お菓子を食べつつダラダラテレビを観たり、やたらとゴロゴロしてみたり、時には、拗ねて押入れに立て籠もってみたりと、全く持って神様らしくない、子どもっぽく、だらしない姿が強調されたシークエンスが多く、普段の言動と「(自称)神様」というギャップがアニメファンを魅了しました。

妙にフェティッシュなカメラワークで切り取られるナギ様の日常描写は、神としての存在感とはかけ離れたものであり、非常に身近な存在感と親近感を抱かせてくれます。

主人公の前に突然、美少女が現れる所謂「落ちもの」なラブコメ作品としてスタンダードな作りながらも、同時に、『ドラえもん』などに代表される「居候キャラ」が巻き起こすコメディとしての普遍的な魅力も持ち合わせている点が『かんなぎ』のおもしろいところです。

2000年代のアニメ作品における良作の一本として、若いアニメファンの方にも観ていただきたい作品です。

ハイスペックなのにひきこもり気味の超ニート『ハヤテのごとく!』の三千院ナギ

畑健二郎先生による『週刊少年サンデー』連載作をアニメ化した『ハヤテのごとく!』。本作で、そのグータラさで何とも愛らしい姿を見せてくれるのが、メインヒロインの三千院ナギです。

本作は、2004年の連載開始以来、4シリーズに渡ってテレビアニメが制作され、劇場映画やOVAも展開されるなど、アニメでも人気を博しました。

三千院ナギは、大金持ちのお嬢様。アニメ版では、人気声優の釘宮理恵さんが声を担当しており、「ツンデレキャラ」の代表格として2000年代の半ばに人気を集たキャラクターです。

同じく釘宮さんが声優を務めた『灼眼のシャナ』のシャナ、『ゼロの使い魔』のルイズと並び、アニメ、声優ファンの間に「釘宮病」という熱狂的なムーブメントを巻き起こしたヒロインの一人としても知られています。

飛び級で高校に入学できる程の高い知能と莫大な財産を持ち、豪邸で何不自由なく暮らしているナギですが、それ故に、幼い頃から幾度となく誘拐の危機に晒され、やがて極端に人とのコミュニケーションを避けるようになってしまいます。

そんな彼女がハマったのが漫画やゲームといったオタク趣味の数々。他人との交流を避けがちな性格に、オタク趣味への没入が加わったことで、結果的に不登校気味となり、一日の大半を家で趣味に費やして過ごす、ひきこもりな生活を送ることに。

一方で、持ち前の知力と財力、そして財テクのセンスを活かして、株の運用で利益を上げるなど、オタクなグータラお嬢様のようで、意外にシッカリしたところもあるところが、ナギのおもしろいところです。

極端に労働意欲が低く、ただただダラダラしているようにしか見えないにも関わらず、その実、大金を稼ぐ術と能力を持ち、更に、お屋敷の中で従者に支えられ、自身の趣味に全力で向かい合うことができる、ナギが生きる日常は、まさにオタクにとっての「夢」であり「理想」の生活です。

そんな羨ましい日々を送るナギも、本作の主役でありロマンスの相手でもあるハヤテが、他のヒロインと仲良くしている姿を観ると露骨に不機嫌になるなど、年相応の女の娘らしい感性を持ち合わせているのが微笑ましいところ。

これからもそのツンデレっぷりでこちらをニヤニヤさせながら、ダラダラし続けて欲しいものですよね。

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。