3: 単調に思える生活の満足度がアップする!

――実際に手を動かすことによって、漢字なども思い出しやすくなりますよね。家計簿をつけて家計の流れを把握すれば、貯蓄額も増やせるイメージもあるので一石二鳥ですね。

細野「そうですね、確かに家計簿をつけている人の方が、貯蓄額が多いという調査結果が多くあります。しかし、実は家計簿をつけている人の方が出費している場合が多いんですよ。」

――えっ?そうなんですか?それはなぜなのでしょうか?

細野「決して『家計簿をつけている人=節約思考』ということではないんです。家計簿をつけている人というのは、節約ばかりしているのではなくて、メリハリのあるお金の使い方をしている人が多いんですよ。

旅行に行きたいから、欲しいものがあるから、普段節約する、というやり方をしています。逆に、あまり必要でないものは買わないという人が多いですね。

わかりやすい例としては、『家計ノート』の読者の方から、『家計ノートに出会って家を買いました!』という手紙をもらうこともありますよ(笑)。

ただ、これも衝動買いではなく、『家計ノートをつけてみて毎年のお金の動きが見えるようになりました。そうしたら頭金と住宅ローンの返済年数がキチンと見えるようになったので、これまで夢でしかなかったマイホームが実現できたんです!』といったように、かなり地に足がついた上での行動なんですよね。

このように家計簿をつけることで、お金の流れが見えてきて、夢の実現がしやすくなるんです。ダラダラと何となくお金を使っている場合と比べれば、生活の満足度は圧倒的に違ってくるんですよね。」

4: 日記感覚で1日1日が意味のある毎日に

――家計簿をつけて家を買うなんてすごいです!家計簿をつけることで節約したり貯蓄するお金にもしっかりと意味付けができるのですね。

細野「家計簿をつけることによって、お金だけではなく毎日の生活も有意義なものに変わっていけるんですよ。

というのも、家計簿が日記帳的な役割を果たしてくれて、『あぁ、この日はこんなところに食事に行ったな』とか『そういえばこの月はちょっと高いバッグを買ったんだよなぁ』なんて思い出すことができます。

書いておかないと、せっかくの特別なことも忘れてしまいますよね。

『つけるだけで「節約力」がアップする 家計ノート』では毎日の項目にメモ欄が上に付いているので、そこにその日の出来事を備忘録として書いている人も多いようです。

日記帳も、『日記を書こう!』と大きな日記帳を買うと、何を書けばいいかわからなくて続かないなんてこともあるので、メモ程度でもその日あったことを書く程度でいいんですよ。

メモがあれば、見返した時に『あ、この日にこんなことがあったんだ!』とか『あの日はうれしかったなぁ』などと思い返すことで、単調に思える生活にも潤いが出てくるんですよね。」