LIVE rise SHUNAN(通称周南rise)

――LIVE rise SHUNAN(以下・周南rise)は2007年にオープンし、今年で10周年になります。

周南市周辺にはもともとBoogie House(※山崎まさよしがアマチュア時代に出演していたことでも知られるライブハウス。13年閉店)やTIKI-TA(※16年末閉店)などがありました。この地域のライブハウスとしては後発ですよね。

ピッコロ:僕は周南riseの店長になって7年目なんですが、オーナーの兵頭尚吾さんがもともと東京の高田馬場CLUB PHASEで店長をやっていたんです。

――元は東京のライブハウスで働いていたオーナーの兵頭さんが、どうして周南市でライブハウスをやろうと考えたのでしょうか。地元がこのあたりだったとか?

ピッコロ:兵頭さんは結婚を機に奥さんの地元の周南市に移って来て、ここを立ち上げたんです。

――ではご自身は周南市になんらかのツテがあったわけではなく……。

ピッコロ:ゼロの状態で、ひとりでやってたんですね。それが兵頭さんが26歳くらいの時だそうです。

――20代で決して大きくはない地方都市へ来て、ライブハウスを立ち上げる。それはすごい決断ですね。

周南riseのステージ。スモークも照明もきれいです!

――そして、ピッコロさんはどういった経緯で周南riseの店長に?

ピッコロ:もともとは地元で個人イベンターというか、バンドを呼んだり自分自身でもバンドをやっているので、企画をしていたんです。

――なるほど。

ピッコロ:ずっとバンドをしながら大型トラックの運転手をしていたんですけど、40歳くらいの頃にさすがに長距離運転手がしんどくなったのと(苦笑)、子供も就職して手が離れたので、そのタイミングでちょうど兵頭さんが「ウチに来ないか?」と声をかけてくれたんです。

もともと周南riseでもイベントをやることもあって交流があったんで。じゃあ第二の人生じゃないですけど、自分の好きなことをしようと思ったんです。

――いい話ですね。私は周南市近郊出身なのですが、昔から山口県ってバンドの全国ツアーでも広島と福岡の間だからほぼ飛び越されることが多かったんです。スターピアくだまつや徳山市民会館(現・周南市民会館)にたまに来てくれますけど、そもそも市民ホールでできる規模のバンドは限られてました。ブルースの老舗だったBoogie Houseはちょっと毛色が違いましたし。

それが、最近バンドのスケジュールを見ていると、「周南rise」の文字がよく目に留まるんですよ。

ピッコロ:うちは平日にもツアーバンドをガンガン受け入れてる方針なんです。昔は山口でのツアーバンドの受け入れ先が少なかったんですよね。それが兵頭さんのPHASE時代の人脈からだんだん繋がっていって、ツアーバンド、レーベルやイベンターの方に「山口県にこういうライブハウスがあるよ」というのを知ってもらっていったというか。

2015年にオープンしたRISING HALL

――そして2015年にはRISING HALLという550キャパのライブハウスもオープンしたとのことで。周南市にそんなに大きなライブハウスって私が地元で高校生やっていた20年前は考えられない……! たしか元はテアトル徳山という映画館ですよね。

ピッコロ:テアトル徳山が閉館して、空いていたところに新しくなにかできないかというかとで。

――出演するアーティストもスケジュールを見ると、SCANDAL(3月)、THE BAWDIES(4月)、BOYS AND MEN(4月)、BRAHMAN(5月)、BiSH(5月)、己龍(6月)……etc.人気のアーティストがジャンル問わず来るんですね。

ピッコロ:ホールとライブハウスの中間くらいですよね、今後この場所が受け皿になっていくと思います。