現在、液晶ディスプレイ(LCD)市場は2019年と比べて好調な販売台数を記録している。コロナ禍で在宅勤務やオンライン授業が広がったことが大きな要因。加えて、自宅時間が増えたことでゲームや動画視聴の時間が長くなったことでディスプレイを使う機会が増え、売り上げを後押ししている。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で市場の動向をまとめた。
19年1月のLCD販売台数を100とした指数は、20年2月まで100を下回る月が多かった。しかし、3月に131.2、翌4月に161.7まで上昇し、その後は130~150前後で推移。12月には過去3年で最も高い184.6を記録した。21年も20年には及ばないものの1月に171.7を記録するなど19年の指数を上回っている。12月は146.7と3年前と比較して1.5倍近い規模に拡大した。一方、メーカー間のシェア争いは、市場の活性化とともに激化している。
19年から20年初頭にかけてはIOデータ機器が20~25%前後の販売台数シェアで他社に大きく差をつけてトップを独走していた。ところが20年6月に21.6%を記録したASUSが首位を奪ってから、激しい首位争いが始まった。21年2月にはデルが2位に浮上し、三つ巴の首位争奪戦がスタート。21年7月にBenQジャパンが2位のASUSに僅差で迫る3位まで浮上すると、4社での大混戦状態に突入した。
この3年間で最もシェアを伸ばしているのはデルだ。19年1月時点では4.9%に過ぎなかったが、7月に11.7%と初めて10%超え。その後アップダウンを繰り返しながらも徐々にシェアを上げ、21年6月には19.7%で初めて首位に立った。なかなか首位は維持できていなものの、12月は14.8%で2位につけ、トップグループで善戦している。
コロナ禍をきっかけとした市場の活況は今後もしばらく継続するだろう。メーカー同士のシェア争いは混戦が続きそうだ。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
<% bcn_video1 %>