PCケース市場はコロナ禍による巣ごもり需要で2020年に販売台数が大きく増加したが、21年2月以降は減少に転じた。22年2月は19年2月並みに落ち着いている。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で過去3年の販売台数指数と各メーカーの販売台数シェアを振り返る。
19年2月のPCケース販売台数を100とした指数は、19年、20年ともに1度も100を下回ることなく推移した。19年はeスポーツの広がりやPCゲームの流行、新型CPUの発売などによって自作市場が盛り上がったからだ。特にAMDが第3世代Ryzenを発売した7月はPCケースも連動するように販売台数が伸び、指数は134.1を記録した。
20年はコロナ禍による巣ごもり需要の影響が顕著に表れた。商戦期の年末年始を過ぎ、3月まで右肩下がりになっていた指数は4月に反発。138.2まで増加すると、翌4月には174.7、5月には199.6まで急伸。過去3年で最高の指数を記録した。
21年になるとマイニングブームの再燃でグラフィックボードの価格が上昇。自作市場を直撃し、2月から指数は下降に転じた。その後も指数は100前後で推移。22年2月は102.4と辛うじて19年同月を上回る程度に落ち着いた。急激な需要増の反動に加え、PCパーツの価格高騰、世界的な半導体不足による品不足も影響し、市場の盛り上がりは一段落した。
19年2月から現在までPCケース市場はThermaltakeの独走が続いている。メーカー別販売台数シェアは常に2~3割前後をキープ。20年6月には34.7%を記録するなど、他社に大きく差をつけている。一方、2位以下のシェア争いは混戦状態だ。22年2月時点はCOOLER MASTERが9.7%で他社を一歩リードしているが、NZXTが背後に迫っている。NZXTは19年2月時点で2.4%にすぎなかったが、過去3年で着実にシェアを拡大。21年2月は9.1%を記録した。4番手以降にはAntecが7.6%、Fractal Designが7.1%でつけており、いずれも僅差でCOOLER MASTERを追っている。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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