薄型テレビのここ一年間におけるメーカーシェア推移をみると、上位メーカーの顔ぶれに変わりはないものの、順位の入れ替えが激しく、TVS REGZAやHisense、TCLが躍進していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から明らかになった。
2020年から翌21年に延期された東京五輪の開催に向けたキャンペーンをパナソニックとソニーが実施。パナソニックは21年6月3週、ソニーは同年7月2週にかけてシェアを伸ばした。しかし、東京五輪の開会前に両社のシェアはピークに達した後、徐々に落とし始めた。その隙をついて、TVS REGZAが21年7月3週以降シェアを伸ばし始め、一時はシャープを抜き首位に立つ。だが、シャープはすぐに首位を取り戻し、年末まで両社との首位争いは繰り返された。21年最終週にシャープが27.3%を記録するも、その後シェアは急落。TVS REGZAが22年1月1週以降、13週連続で首位を保っている。
また、HisenseやTCL Corporation(以下、TCLと表記)も安価を武器にシェアを伸ばしている。Hisenseは21年8月以降パナソニックと4位争いをしていたが、22年年初になるとソニーも加わり3位争いを3社で繰り広げ始める。3月に入りHisenseが3位に浮上すると、シャープに0.4ポイント差に迫り、2位も視野に入ってきた。一方、TCLは21年末から徐々にシェアを伸ばし始め、22年3月5週に2ケタ目前の9.8%を占め、5位のパナソニックとは2ポイント弱、4位のソニーとも3ポイント差まで詰めており、今後4位争いを展開、激化する可能性も出てきた。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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