電子ピアノ市場で3月、ヤマハが8か月ぶりにトップシェアを奪還した。2021年8月以降トップを走り続けていたカシオは2位に後退した。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。

電子ピアノ市場はシェア争いが激しい。2年間の動きを振り返ると、特に2020年前半はメーカー別販売台数シェアの首位が目まぐるしく入れ替わった。1月と2月はヤマハが30%超のシェアで首位だったが、3月にはコルグが32.8%まで上昇し首位を獲得。5月にはカシオが29.6%でヤマハとコルグを抜きトップに就いたものの、6月には再度ヤマハが1位を奪還した。7月以降はカシオが連続で首位をキープ。10月には38.1%と4割近くを占めた。ヤマハは一時16%までシェアを落とすなど失速したが11月以降は復調。順調にシェアを回復して21年4月は37.0%を獲得し、10か月ぶりの首位に返り咲いた。8月にはカシオに首位を奪い返されたが、22年3月に27.9%で再度トップに立った。首位獲得の月数ではカシオ優勢だが、ヤマハが食らいついて独走を許さない状況だ。

一方、足元の3位争いでは河合楽器が優勢。4位のコルグをリードしている。河合楽器は、20年1月時点で7.7%と上位3社に大きく後れを取っていた。しかし6月に10.4%を記録するとその後も10~15%を維持して推移。22年3月には19.3%とコルグに6.5ポイント差をつけるまでシェアを拡大させた。2年で11.6ポイントと最も高い伸びを示している。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

<% bcn_video1 %>