富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の手書き電子ペーパー「クアデルノ」は、専用のペンで紙のノートに書いているのに近い感覚で、ビジネスにおけるアイデアやミーティング時のメモ、学習時のメモなどを書き留められる。そのクアデルノは本体の容量が限られているのだが、サードパーティーのアップデータは3月31日、クアデルノとクラウド連携できるサービス「My Note Cloud」のβ(ベータ)版を無料リリース。クアデルノの活用シーンが飛躍的に広がるファン待望のサービスと言えるだろう。
ユーザーの声を反映して今夏に本格リリース目指す
クアデルノとクラウド連携できる「My Note Cloud」のベータ版は、クアデルノの公式サイトから無料で登録できる。サービスを手掛けるアップデータは、先行する類似のサービスがない分野のため、ベータ版とすることでナレッジを蓄え、ユーザーの声を反映させて、2022年夏ごろに正式なサービスとしてリリースする予定だ。
クアデルノは、第2世代のA4サイズ「FMVDP41」とA5サイズ「FMVDP51」の2機種あり、手書きのメモやPDFへの書き込み、ラフやスケッチなどが、「Wacomデジタイザ」を搭載したバッテリレスペンで書ける。筆圧に応じて筆跡の太さが変わったり、少しざらざらした表面に書く感じが実際の紙に書いているような筆記感を実現する。製品の機能詳細については次の記事を参考にしてほしい。
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書き味向上&画面は見やすく、デジタルノート「クアデルノ」に第2世代モデル
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洗練されたシンプルなデザインや薄さ、軽量、最長2週間充電が不要の長時間バッテリなど、実際に使ってみると満足度の高い製品だ。内蔵メモリ容量が32GBと限られており、1ファイルあたり約2.2MBのPDFファイルを約1万ファイル保存できるとはいえ、クラウド連携の要望は以前から高かった。
クラウドの資料をPCやスマホで操作したり確認できる
アップデータの小川敦社長は、「クアデルノのユーザーはイノベーターの方が多く、メモがPCやスマホに移り、書くという文化が失われつつある中、物事を考えたりイマジネーションを膨らませるには『やっぱり書くという作業は大事だよね』という原点回帰するような意識の高い方が多い。ベータ版をハードに使ってフィードバックしていただきながら、便利な機能をブラッシュアップしていきたい」と語る。
My Note Cloudのベータ版と連携すると、クアデルノが手元になくてもPCやスマホで操作したり、クラウドに保存したデータをいつでも読むことができたりする。もちろん、クアデルノで作成した手書きノートをクラウドに保存することもできるし、PDF化した資料や書籍をクアデルノに入れて持ち歩けたりする。
何よりも、増えていくノートやドキュメントを大容量のクラウドに保管できるという安心感やメリットは大きいだろう。
My Note Cloudのサイト内にある「My Note Cloudでできることと」というページには「COMING SOON」という項目も数多い。ユーザーのアイデア次第で便利な連携機能が今後も次々と登場することを予感させる。クアデルノのコアユーザーにとって、My Note Cloudにアクセスしてみる価値は大いにあるだろう。(BCN・細田 立圭志)