ノートPC市場の販売台数と販売金額の前年同月比(伸び率)を算出したところ、2021年4月以降12か月連続で前年を下回る水準で推移している。しかし、平均単価は21年10月以降、上昇傾向で推移していることが家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。
21年1月以降のノートPC市場における販売台数と販売金額の伸び率は、2月と3月は前年を上回った。これはWindows 7サポート終了に伴う買い替え需要の反動減により、前年の20年2月と3月の販売台数・金額が低調だったためだ。しかし、20年4月以降はコロナ禍による在宅勤務やリモート授業などでノートPCの需要が増加したこともあり、21年4月以降の伸び率は一転して台数・金額ともに2ケタ割れで推移する厳しい状況となっている。更に10月以降は平均単価が上昇したことも影響し、市場回復は遠のいている。
そこで、21年10月に平均単価が上昇した原因を探ったところ、搭載OSの変化が要因の一つになっていることが分かった。
21年10月からWindows 11搭載マシンが発売になり、単価上昇の要因になっている。また、同月にアップルの「MacBook Pro Liquid Retina XDRディスプレイモデル」の発売も単価上昇に寄与している。搭載OS別の販売台数構成比をみると、Windows 11搭載の構成比は発売以降右肩上がりで推移、発売後6か月で48.6%に達した。しかし、一世代前のWindows 10搭載ノートPC登場時(15年9月)の6か月後にあたる16年2月は6割を超えていたことを考えると、Windows 11搭載ノートPCの出足は鈍いと言えそうだ。
22年3月現在、Windows 11搭載ノートPCの平均単価は14万円強であるのに対し、Windows 10搭載ノートPCは11万円と3万円の差がある。これを考慮すると、Windows 10搭載製品を購入し、Windows 11へと無償アップグレードすれば若干の割引ととらえることも可能だ。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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