エアコンの消費電力

夏の暑さをしのぐために便利なエアコン。消費電力が大きいということは分かっていても、家庭の電化製品の中でどれくらいの割合を占めているかと聞かれると8割以上が低く見積もりすぎているという。エアコンの消費電力を正しく理解した上で、有効な節電につなげてほしい。

一番大きいと分かっていてもその割合は予想以上

空調機器メーカーのダイキンは、6月の環境月間にあわせて「エアコンの電力消費と節電に関する意識調査」を実施した。その結果について紹介しよう。

この調査によると、夏場に最も消費電力が大きいと感じているのはエアコンと回答し、実際の統計と一致している。しかしながら、その割合は1~4割との回答が82.4%と、8割以上が間違っているという。

実際には夏の14時ごろに在宅世帯で消費される電力のうち、58%がエアコンによるものとのことだ。

エアコンによる消費電力を甘く見ず、しっかりと節電したい。

エアコンの普及で1年間の電気使用量の変化が大きくなった

また、資源エネルギー庁の調査によると、エアコンの普及によって月ごとの電気使用量の変化が大きくなったという。

1985年ごろまでは1年を通してそれほど消費電力に変化がないのに対し、最近ではかなり差が大きくなっている。

発電所による電力供給には限界があるため、ピークを迎える8月や12月から1月には積極的な節電が必要といえるだろう。

9割以上は省エネに取り組みたいと考えている

幸い、省エネに対する人々の意欲は高い。省エネに取り組みたいと考えている人は全体の9割以上にのぼるという。

一方で省エネや節電のために具体的な取り組みのアイデアがあるのは32.9%しかいない。

エアコンメーカーが推奨するエアコンの節電方法

空調機器メーカーのダイキンが推奨する、エアコンの節電方法を紹介しよう。

フィルター掃除で最大25%消費電力低減

最初に取り組んでほしいのはフィルターの掃除だ。ダイキンによると、フィルター掃除を1年間行わないと消費電力が最大で25%増えるという。

エアコンで空気を冷やすには部屋のなかの空気を取り込む必要があるが、フィルターにゴミがたまると取り込める空気が減り、設定温度に到達するまでの時間が長くなり、消費電力が増える。

ダイキンは2週間に1回のフィルター掃除を推奨しているのでぜひ実践してほしい。

室外機は風の流れが大事

室内だけではなく室外も重要だ。室外機の前にはものを置かないなど、室外機周辺に空気の流れを確保してほしい。

また、室外機が直射日光に照らされると運転効率が下がるため、風通しが良い「よしず」を1メートルほど離れたところに立てかけると効果的とダイキンは解説している。

30分程度の外出ならエアコンはつけっぱなしに

エアコンをつけっぱなしにした方が良いかこまめに切ったほうが良いかについてはさまざまな議論があるが、ダイキンは実験結果に基づき、30分程度であればエアコンを消さずにつけっぱなしにした方が良いとしている。

ON/OFFを繰り返すと室温を大きく変化させるタイミングが増え、その分エアコンに負荷がかかるとのことだ。

風量設定は「自動」がおすすめ

節電しようとして風量設定を弱くすると逆に消費電力が上がる可能性があるため、風量は「自動」がおすすめ。

風量が弱いと設定温度に到達するまでの時間が長くなり、かえって無駄な電気が必要になるとダイキンは説明している。

エアコンを上手に使って無理せず節電を

夏の暑さは年々厳しくなっており、この100年で全体的に気温が平均1.2度、大都市圏でヒートアイランド現象により3.2度上昇したという。そんな暑さでエアコンを使わないと家の中でも熱中症になる可能性があるため、無理は禁物だ。

快適に過ごせる温度設定であっても節電はできる。この記事で紹介した方法を参考に、無理のない範囲で節電を行うようにしてほしい。(ライター・ハウザー)

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