ミラーレス一眼の存在感が高まっている。コンパクトデジカメ、一眼レフ、ミラーレス一眼で構成するデジカメ市場で、販売台数の3割を占めるまで拡大してきた。販売金額では6割を超えており、今や市場の主役だ。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。

デジカメ市場におけるミラーレス一眼の販売台数構成比は、20年5月以降2割台で推移。ソニーが「VLOGCAM ZV-E10」を発売した21年9月には一時3割に迫った。しかし、世界的な半導体不足の影響がデジカメ市場にも波及。12月にソニーが部材不足でZV-E10を含む主力製品の受注を停止した影響で、22年1月にはミラーレス一眼の構成比は21.9%まで後退した。ソニーは不在ながらキヤノンが勢力を強め、市場をけん引。3月には「EOS Kiss M2」などが貢献し、構成比は再び3割近くまで回復した。さらに7月には、ソニーが受注を再開したことで35.6%まで上昇し、初めて3割を突破。その後も3割超を維持している。

19年10月のミラーレス一眼全体の販売台数を「100」とした22年10月の指数は「114.6」。波はあるものの、一定の水準を維持している。一方、コンパクトデジカメの同期間での指数は「60.2」、一眼レフでは「37.7」。コンパクトデジカメと一眼レフの販売台数が急減していることも、ミラーレス一眼の構成比を押しあげる要因になっている。

販売金額構成比では、ミラーレス一眼の存在感の高まりが、より顕著だ。19年10月に39.2%だった比率は、22年10月には62.6%と23.4ポイントの大幅増を記録。デジカメ市場の売り上げの過半を占める大黒柱に成長した。主要カメラメーカーはこのところ、ミラーレス一眼への注力度合いを一層高めている。ミラーレス一眼の構成比上昇は今後も続くだろう。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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