骨伝導イヤホン市場にオーディオテクニカが参入した。同市場はこれまで米国のShokz(旧AfterShokz)がダントツで、国内メーカーの存在感は薄かった。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で最新の動向をまとめた。

2022年10月の月間メーカー別販売台数シェアは、Shokzが62.5%と全体の6割以上を占めた。依然として2位以下に大差をつけているものの、昨年10月に比べ19.0ポイントもの大きなシェアを失っている。理由はオーディオテクニカの参入だ。10月14日に「ワイヤレス軟骨伝導ヘッドホン(ATH-CC500BT)」を発売。21.5%のシェアを獲得し、いきなり2位に初登場した。音響メーカーとしての確固たるブランド力もありスタートは好調。Shokzに次ぐポジションにいたBoCoやオーム電機をあっという間に抜き去った。

オーディオテクニカの参入は市場の活性化にも一役買っている。21年10月の骨伝導イヤホン市場全体の販売台数を「100」とした指数は、年末商戦期の12月に「138.4」まで上昇。大いに盛り上がった。ところが、22年6月以降100を下回って推移。一部メディアが取り上げたことなどで注目を集めたが、その勢いも一段落。売れ行きは伸び悩んでいた。しかし、オーディオテクニカが新製品を投入した10月は「107.1」を記録。5か月ぶりに100を上回った。今後、さらに参入企業や新製品の投入が増えれば、市場は一層の活性化が期待できそうだ。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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