パナソニックは1月23日、2月で録画用Blu-rayディスク(BDメディア)の生産を終了すると発表した。縮小が激しいBlu-rayレコーダー(BDレコーダー)市場を背景に、BDメディア市場の販売数前年比(バラ枚数集計、以下同)は2021年が96.8%、22年が92.0%と伸び悩んでおり、同社撤退の一因とみられる。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」でBDメディア及びBDレコーダー市場についてまとめた。

22年のBDメディア市場は、11月に101.6%を記録し前年をわずかに上回ったものの、それ以外の月では前年の販売数量を下回った。6月の82.2%など2ケタ減の月もあり、市場が縮小に向かっていることは明らか。メーカー各社は苦戦を強いられている。

22年12月のメーカー別販売数量シェアは、台湾のCMC Magneticsが25.5%でトップだ。パナソニックのシェアは9.3%で5番手。同社は20年、12%前後を占めていたものの徐々にシェアを落とし、足元では1割を下回ることも増えた。

BDレコーダー市場もまた販売台数の減少に苦しんでいる。20年1月を「100」とした指数は右肩下がりで推移。最も落ち込んだ22年5月は「39.6」まで減少した。さらに、1年の中で販売台数がピークに達する年末商戦期の勢いも年々鈍化。20年12月は「137.1」だったが、21年12月は「94.1」、22年12月は「74.3」と厳しさは増すばかりだ。

動画配信サービスや見逃し配信サービスの普及はユーザーのコンテンツ視聴スタイルを変化させた。放送された番組を録画して視聴するスタイルは過去のものになりつつある。番組を録画したとしても、HDDへの録画にとどまり、BDメディアに保存してライブラリー化するというニーズもしぼんだ。録画以外の用途でも、データの保存先としてBDメディアを選択する機会も減った。BDメディアの需要は今後、減ることはあっても回復させることは難しいだろう。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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