肩にかけて音声をより耳の近くで聞ける、ネックバンド型スピーカー(以下、ネックスピーカー)の市場を家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で調べてみた。ネックスピーカー市場では上位をソニーやパナソニック、シャープが占めており、薄型テレビと親和性が高い製品と言えそうだ。
直近2年間の販売数量変動をみると、ネックスピーカー市場は年末年始に販売のピークを迎える。21年1月の販売数量を「100.0」とした指数を算出すると、21年12月に118.8、22年1月は101.6と基点を上回る水準に達した。しかし、その後上下動を繰り返しながらも右肩下がりで推移し、22年10月には42.8と直近2年間での最低値を記録。その後12月には86.2まで盛り返している。
ネックスピーカー市場における上位メーカーをみると、4社中3社が薄型テレビメーカーだ。直近2年間の上位メーカーのシェアをみると、21年はシャープが3-4割を占めていた。21年10月末にソニーが「SRS-NS7」を発売するとシェアは急伸。翌11月に39.5%で首位になり、12月には50.1%に達した。パナソニックは21年9月に「SC-WN10」、翌10月にはゲーミングネックスピーカーの「SC-GN01」を発売したことでシェアを伸ばし始める。22年3月に「SC-GN01」のファイナルファンタジーXIVエディションを限定発売したことでシェアは2割を超え、ソニーに次ぐ2位になった。オーディオテクニカは「AT-NSP700TV」と「AT-NSP300BT」の2製品で安定的に1-2割前後のシェアを維持している。
音を耳の近くで再生できるネックスピーカーは、テレビと接続することを想定した製品が多いため、現状ではテレビメーカーが上位を占めている。しかし、ヘッドホンの技術も応用できるため、今後音響系メーカーが市場を活性化する可能性も高い。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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