電子ピアノ市場のメーカー別販売台数シェアで2022年、ヤマハが年間1位を獲得した。21年まで2年連続で首位だったカシオは2位に後退。ヤマハのトップ獲得は3年ぶりだ。3位に滑り込んだのが河合楽器。2012年にBCNが集計を開始して以来、初めて年間TOP3に入った。家電量販店やネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。
ヤマハの年間シェアは33.1%。前年比で4.4ポイント上昇した。首位に返り咲く原動力になったのは「P-125B」。機種別で年間2位の販売台数を記録した人気モデルだ。また22年4月に発売した「ARIUS」シリーズの新モデル「YDP-165R」も貢献した。
一方、過去最高位の3位を獲得したのが河合楽器。前年比で1.8ポイント増のシェア14.0%でコルグを逆転した。19年発売の「CN29LO」がシェア拡大をけん引した。
電子ピアノ市場は、20年のコロナ禍に伴う巣ごもり特需を経て、現在は、その反動減で苦戦を強いられている。20年1月の販売台数を「100」とした指数は、4月に「131.6」を記録するなど一時大きく上昇した。しかしその反動で、21年・22年とも100を下回って推移。22年8月には「52.6」まで低下した。その後12月には「74.7」まで回復したが、未だに低調な動きが続いている。
電子ピアノ市場全体の税抜き平均単価は22年で7万9400円。過去2年で1万3400円上昇した。半導体不足や輸送コストの高騰なども一因。こうした価格の上昇もあり、当面、急速な市場回復は難しそうだ。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
<% bcn_video1 %>