増設やPCを自作する際に必要なメモリの市場で、デスクトップPC用のメモリ(DT用メモリ)はおよそ6割を占める。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」によると、2023年2月のDT用メモリにおいてDDR5対応の構成比が1割を超えた。
世界的なPC需要の減速によるメモリの単価下落を背景に、DT用メモリの市場規模は拡大している。こうした動きの中で、Intelの第12世代CoreやAMDのRyzen 7000シリーズに対応する、DDR5対応の構成比は23年2月に10.7%となった。DDR5対応の製品がランキングデータにあらわれたのは21年10月で、登場してから17か月経過した23年2月に1割を超えた。8割を占めるDDR4からの世代交替はまだ先になるだろうが、DDR5に対する需要が立ち上がり始めたといえそうだ。
次にDDR3、DDR4、DDR5それぞれの1GBあたりの単価(GB単価)を算出してみた。DDR3とDDR4のGB単価は400円前後で、ほぼフラットな推移をしていた。しかし、22年12月から下落に転じ、23年2月にはそれぞれ251.4円、342.5円と100円程度値下がりした。一方、構成比を増やしつつあるDDR5のGB単価は、22年1月は1294.2円とかなり高価だった。構成比が増加するにつれ、GB単価は急速に下落し、同年6月には960.9円。23年2月のGB単価は570.5円まで下がり、1年強で半値以下になっている。
今後はDDR5に対応するCPUの販売数が増えることで、DT用メモリにおけるDDR5の構成比も増加するのは確実だ。普及とともに単価が下落することで、大容量化も加速していくだろう。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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