チューナーレステレビがにわかに注目を集めている。テレビとは言いつつも、名前の通りチューナーを搭載していないため、地上波をはじめとする放送波の番組は視聴できない。YouTubeやNetflixなどで動画コンテンツを視聴するほか、ゲームのプレーなどにも利用できる。現時点で市場はごく小さいが、その規模は徐々に拡大し始めている。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で現状を分析した。
液晶テレビと有機ELテレビを合算した薄型テレビ市場全体におけるチューナーレステレビの比率は、製品が登場し始めた22年6月から徐々に増加している。とはいえ、2023年3月時点でわずか1.6%に過ぎない。シャープやTVS REGZA、ソニー、パナソニックといった国内の有力テレビメーカーが参入していないためだ。そうした大手が動けば、市場は本格的に拡大することになるだろう。
また、BCNでは23年3月にチューナーレステレビについて、アンケート調査を実施。認知率や興味の有無などを調べた。それによると、チューナーレステレビという言葉の認知率(「理解している」「理解はしていないが、言葉は知っている」の合計)は、41.2%だった。
チューナーレステレビがどのような製品なのか、簡単な説明文を提示したうえで、興味の有無を訊いたところ「興味がある」と回答したのは26.3%だった。興味がある人の理由では「NHKの受信料を払わなくていい」の比率が最も高かった。一方、興味がないと回答した人の理由で最も比率が高かったのは「現在使っているテレビで問題ない」だった。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
<% bcn_video1 %>