2023年5月11日発売のPixel 7aは久々にdocomoも取り扱ったことで、累計販売台数の初速は好調に推移している。家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から明らかになった。

Pixel 6aの発売日である22年7月28日の販売台数を「1.00」として、発売当日から25日経過した販売台数累計の指数を算出した。前モデルのPixel 6aは、auとSoftBankの2キャリアのみだったが、今回のPixel 7aでは2キャリアに加えてdocomoも取り扱うことになり、前モデルを上回る初速を記録している。docomoは19年6月7日発売のPixel 3a以来、約4年ぶりにGoogle製品を取り扱うことになった。Pixel 6aと7aの累計販売台数指数を比較すると、docomo分がそのまま上乗せとなっている。発売から25日経過した累計販売台数指数は、Pixel 6aが34.41だったのに対し、Pixel 7aは52.52に達した。しかし、Pixel 7aのauとSoftBankのみで比較すると、発売から15日を過ぎたあたりから、差が開き始めており、2キャリアでの勢いが鈍化していることが分かる。

次に、発売25日間の各シリーズにおけるキャリアの構成比を算出した。Pixel 6aではauが38.6%、SoftBankは61.4%だった。一方、Pixel 7aではdocomoが半数に近い47.2%を占め、SoftBankは34.8%、auが18.0%という状況。今回のPixel 7aにおける出だしの好調さは、docomoが支えていると言ってよい。

現在スマートフォン市場は、キャリアによる端末価格の過剰な値引きに公取や総務省が注目したことで、端末価格が以前より上昇し、販売台数が落ち込んでいる。加えて、京セラの個人向けスマートフォン市場からの撤退、FCNTの民事再生法適用申請など、相次ぐ日本メーカーの不振といった転換期を迎えている。今回取り上げたPixel 7aの出だし好調は久々に明るい話題だ。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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