2023年2月24日に公正取引委員会が「携帯電話端末の廉価販売に関する緊急実態調査について」を発表。以後、スマートフォン市場は冷え込んでいることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。

スマートフォン市場全体の販売台数前年同週比を算出したところ、23年1月1週(01/02-01/08)は124.5%と前年を大きく上回る水準でのスタートとなった。しかし、翌週には前年を下回り、3月1週(02/27-03/05)までは前年と比較し、1ケタマイナスを維持。しかし、3月2週(03/06-03/12)には86.2%と2ケタマイナス、以降は前年の7-8割程まで落ち込んだ。公取の発表した廉価販売に関する報告書が、少なからず影響を与えていることは明らかだ。

直近の7月1週(07/03-07/09)にはそれまでの水準を更に下回る68.8%まで落ち込む。07/06、SoftBankに対し携帯端末と回線契約のセット販売で規制の上限を超えた割引をしたとして、総務省が行政指導を行なったことが理由の一つに挙げられるだろう。

スマートフォン本体の販売価格は確実に上昇している。今後も高値で推移し続ければ、買い替えサイクルは確実に伸び、市場が更に鈍化することは間違いない。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。