2023年6月のUSBメモリ市場において、1GBあたりの単価(以下、GB単価)は5月から引き続き下落していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。

USBメモリのGB単価を算出したところ、2020年6月は40.74円だったが、約半年後の21年1月に34.06円まで下落。その後一年半に亘り、多少の上下動はあるものの30円台前半で推移していた。22年6月から再度下落基調に転じ、半年で27.95円と直近3年間で最安値を記録。23年に入ると上昇し始め、3月に30円台に突入したが、6月は再び29.42円と30円を割り込んでいる。

GB単価は3年で3分の2程度まで下落したものの、大容量化は遅々としている。平均容量をみると、20年6月は34.0GBだが、40GBを超えたのは一年半後の21年末。その後も大容量化は進まず、3年間でGB単価最安値だった22年12月に45.8GBを記録するも、その後は再び40-42GBの間で推移している。

以前、内蔵SSDとmicroSDのGB単価と平均容量の関係を調べたが、今回のUSBメモリよりもGB単価下落と大容量化の関係は緊密だった。USBメモリは大容量のデータを持ち運ぶというよりも、手軽にデータを移動する際に用いられることが多いため、さほど大容量化が進まないのかもしれない。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。