総務省が公表した最新のマイナンバーカード交付状況によると、令和5(2023)年8月20日時点で、人口に対するマイナンバーカードの交付枚数率は全国で約75.5%だった。交付枚数率は実際に受け取った人(累計)の割合を示しており、申請手続き上、マイナンバーカードは申請から受け取りまで時間がかかるため、申請率(申し込んだ人の割合)はこの数値より高い約78.0%となっている。
より実態に即した「保有枚数率」は約7割に
従来は、1月1日時点の人口をマイナンバーカードの交付枚数で割った交付枚数率を普及率としてみなしていたが、今年6月発表分から、申請枚数・交付枚数に加え、交付枚数から本人死亡や有効期限切れなどで廃止となった分を引いた保有枚数を公表し、人口を保有枚数で割った保有枚数率を集計・公表することで、より正確な普及状況を示すよう変更した。
7月31日時点で、全国のマイナンバーカードの保有枚数率は約71.0%。マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)と引き換えに、2024年秋に従来の健康保険証は廃止予定となっているが、まだマイナンバーカードは、申請率・保有枚数率ともに100%に達していない。とはいえ、都道府県別保有枚数率1位の宮崎県は80.3%と、8割を突破し、1位から39位まで1道38県は7割を超えている。なお、保有枚数率ワースト1位は沖縄県(58.7%)、2位は東京都(67.6%)だった。年齢(年代)・男女別の保有枚率も公表しており、年代ごとの保有枚数率は「75~79歳」が81.7%で最も高く、最も低い「0~4歳」は54.1%、次に低い「80歳以上」は65.2%にとどまっている。
若い世代やファミリーのマイナンバーカードの取得推進のため、デジタル庁は今年春、アニメ化もされた人気コミック『SPY×FAMILY』とコラボレーションしたマイナンバーカード取得キャンペーンを実施していた。来年秋に向け、引き続き、子どものいる家庭に向けたマイナンバーカードの取得・利用促進の取り組みは必要だろう。(BCN・嵯峨野 芙美)