2023年1月1週以降の完全ワイヤレスイヤホン(TWS)市場の前年同週比を算出した。すると5月以降、プラスになったりマイナスになるなど変動が激しいことが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。上位メーカーでは、Ankerが24週連続で前年を上回っており、好調な推移をみせている。
市場をけん引するアップルとソニーが22年に相次いで値上げに踏み切ったことで、TWS市場の動きが鈍化した。23年に入ってからは販売数量の前年比がプラスになる週は散見されるものの、基本的にマイナスになることの方が多くなっている。特に6月5週は68.6%と前年を大きく下回る水準を記録。しかし、7月2週には122.6%になるなど変動が激しい。
そこで、直近週(8月4週)の上位メーカーの前年同週比を算出した。
値上げによりシェアを大きく落としたアップルは前年並みの98.5%。また「WF-1000XM5」を7月に予約開始したソニーは、8月1週以降4週連続でプラスを維持し、直近週でも102.2%だった。上位2社よりも安価な製品を取り揃え、シェアを稼ぐJVCケンウッドも94.7%とほぼ前年並み。オーディオテクニカは116.5%と2ケタプラスとなった。上位メーカーのなかで前年を大きく上回っているのはAnkerで直近週では248.8%を記録した。同社は3月3週以降、24週連続で前年を上回って推移しており、今後もしばらくこの勢いが持続しそうだ。平均単価1万円台前半の「Soundcore Liberty 4」シリーズが、Ankerの好調をけん引している。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。