ストリーミングデバイス市場はコロナ禍で市場が一気に拡大した。当時の狂騒は沈静化していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。同市場では、Googleが常に9割のシェアを獲得し、けん引役となっている。 GoogleのChromevastシリーズ、AppleのApple TVシリーズ、Ankerの「Nebula 4K Streaming Dongle」をストリーミングデバイスとして、市場の販売台数指数とメーカーシェアを算出した。ここでいうストリーミングデバイスとは、Amazon Prime VideoやHulu、Netflixといった動画配信サービスをテレビ画面で視聴することができる機器を指す。
2020年1月の販売台数を「100.0」としたストリーミングデバイスの市場規模の推移をみていく。コロナの感染拡大により外出を控えるようになったことで、市場規模に変化があらわれた。20年2月は変化がなかったものの、その後月を追うごとに規模は急拡大し、同年4月には358.4まで達した。需要が一巡すると緩やかに指数は減少していくが、21年11月まで100を上回る水準で推移した。その後は基点を下回る月が多かったが、23年8月は106.9と5か月ぶりに基点を上回った。
メーカーシェアではGoogleが9割を占め、市場をけん引している。Appleは1割を若干下回る水準が続いている。22年11月は「Apple TV 4K(第3世代)」の発売により3割程までシェアを増加させるも、瞬間風速的な盛り上がりにとどまった。また、Ankerの「Nebula 4K Streaming Dongle」は1%に満たない値で推移している。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。