インクジェットプリンタ市場 販売台数指数推移
年賀状作成を控えた9月頃から年末に向けインクジェットプリンタの販売台数は右肩上がりに増加する。2023年も9月から順調に販売台数が増加していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。
インクジェットプリンタ市場は、11月12月の2か月で、一年の4分の1強の販売台数を稼ぐ。21年1月の販売台数を「100.0」とした販売台数指数を算出したところ、22年は1-8月まで前年を下回る水準で推移。しかし、9月以降から年末にかけて前年を上回る勢いをみせた。23年も22年と同様の動きで推移しており、9月に21年を上回る水準に達した。これから年末に向けて、21年・22年と同様の動きとなりそうだ。
メーカーシェアの動向は、キヤノンとエプソンが4割前後で首位争いを展開。ブラザーが2割ほどのシェアを稼いでおり、3社で市場の97-98%を占めている状況だ。シリーズごとにみると、エプソンは19年に発売した「EW-052A」、キヤノンは21年に発売した「PIXUS TS8530」シリーズ、ブラザーは22年発売の「DCP-J526N」が各社のシェアをけん引している。
日本郵便株式会社が8月末に2024年用の年賀はがき当初発行枚数を発表した。14億4000万枚で前年よりも2億枚減少しており、年賀状を印刷するために利用するインクジェットプリンタの需要は減少すると考えられる。しかし、市場の販売指数の遷移をみてもまだ旺盛な動きをしていると言っても良い。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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