インクジェットプリンター用インク 販売数量指数

インクジェットプリンター用インクの需要は年々減少していることが家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」により明らかとなった。ペーパーレス化や年賀状を出す人が減少しつつあるうえ、郵便料金が値上がりするという報道もあり、今後インクの需要はますます厳しくなると思われる。

2021年1月のインクジェットプリンター用インクの販売数量を「100.0」として指数を算出した。インクの最需要期は12月であるのは、年賀状作成に関連していることは周知の通りだ。また、年度末の引っ越しや移動などに伴い、3月にもインクの需要は若干増加する。では、数量指数の推移を比較してみる。まず年度末の3月では、21年は114.2であったのに対し、22年は109.6、23年は102.3と需要の減少は明白だ。最需要期の12月は21年が220.5、22年は197.5とこちらも指数は下がっている。11月の時点でも23年は21年、22年を下回っており、12月も22年を下回る水準に着地するということは想像に難くない。

メールの普及やコミュニケーションツールの多様化により、年賀状の需要は年々落ち込んでいる。12月18日に総務省が郵便料金の上限値を引き上げる案を諮問したことも手伝い、今後年末にかけてのインクジェットプリンター用インクの需要が減少することは避けられない。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。