「子育て世帯の街の住みここちランキング2023」の駅ランキング1位は奥沢

大東建託は2月7日に「子育て世帯の街の住みここちランキング2023<首都圏版>」を発表した。駅ランキングと自治体ランキングに分かれ、駅ランキングは「駅徒歩15分以内に居住している年齢20~50歳で既婚・子どもありと回答した人が累計20人以上の駅」のみを集計対象としている。つまり、このランキングに登場する駅は、通勤・通学しやすい駅徒歩15分以内に一定規模の住宅地がある駅といえる。今回はこのランキングのトップ10と、記者が気になった駅を紹介していこう。

駅徒歩15分以内の居住者による「住みここち」トップは「奥沢」

「いい部屋ネット」の駅ランキングは、近接駅を統合しており、統合した駅は駅名の後にA(Areaの略)を付加している。首都圏の駅・自治体を対象とした総合ランキングは、2023年5月に「街の住みここちランキング2023<首都圏版>」として発表済み。評点は、今住んでいる街への評価について、大変満足している:100点、満足している:75点、どちらでもない:50点、不満である:25点、大変不満である:0点とした場合の平均値。

1位は、2年連続で東京都世田谷区に位置する奥沢(東急目黒線)で、評点は85.7。2位は東京都中央区に位置する築地・新富町A(東京メトロ日比谷線)で、評点は84.8。総合ランキングでも3位にランクインしており、世代を問わず支持されている。

3位は清澄白河(東京メトロ半蔵門線)で、居住者からは「少し歩けばお店やカフェ、雑貨屋さんなど活気があるが、住宅街は基本的に静かで車通りも少なく住みやすい、都心に近い」といったコメントが寄せられた。評点は83.8。4位の東急池上線「洗足池」は、前年は累計回答数20人未満だったためランク外だったが、今回、いきなりトップ10入りを果たした。

5位は学芸大学(東急東横線)、6位は都筑ふれあいの丘(グリーンライン)、7位は尾山台(東急大井町線)、8位は目白(JR山手線)、9位は海浜幕張(JR京葉線線)、10位は吉祥寺(JR中央線)、11位センター北(ブルーライン)、12位は白金台(東京メトロ南北線)・上野毛(東急大井町線)と続く。横浜市営地下鉄グリーンライン・ブルーラインの駅や海浜幕張駅の周辺は新築マンションの供給が続いており、それ以外はすべて東京都内の駅なので、このランキングはおおむね納得できる。

「子育て世帯の街の住みここちランキング2023<首都圏版>」では1位から373位まで公表しており、ランキングの上位5割弱に相当する200位まで細かく見ていくと、総合ランキングでは圏外の駅や順位の低い駅も目についた。

25位の祐天寺(東急東横線)、32位の有明A(新交通ゆりかもめ)、同率38位の石川町(JR京浜東北線)、49位のちはら台(京成千原線)、53位の鵠沼海岸(小田急江ノ島線)、109位の石川台(東急池上線)は、今回初のランクイン。これらの駅は子育て世帯が選ぶ住宅地としてここ数年で伸びたといえそうだ。

また、立川A(JR中央線など)、多摩境(京王相模原線)、東陽町(東京メトロ東西線)、椎名町(西武池袋線)、藤沢(JR東海道本線)、大船(JR東海道本線)、北習志野(新京成線)、津田沼A(JR総武線)、海老名(JR相模線他)などは、総合ランキングでは100位台だが、「子育て世帯」に限ると100位以内(評点75.5以上)に入り、子育て世帯の満足度が高いエリアのようだ。

総合ランキングは圏外だが、「子育て世帯の街の住みここちランキング2023<首都圏版>」には入った駅のトップは、今回初ランクインとなる元加治(西武池袋線)。順位は西永福(京王井の頭線)と同率の111位、評点は75.0で、さすがに100位を超えると満足度はトップ3と比べるとだいぶ低くなっている。ほかには、弥生台(相鉄いずみ野線)、南船橋(JR京葉線)、二和向台(新京成線)、中浦和(JR埼京線)なども総合ランキングでは圏外・子育て世帯に限るとランクインという結果となった。

次回は同じく「子育て世帯の街の住みここちランキング2023<首都圏版>」から、自治体ランキングを紹介しよう。(BCN・嵯峨野 芙美)