PCは前年割れだが、液晶ディスプレイはこのところ堅調に推移している

液晶ディスプレイが頑張っている。昨年秋まではコロナ特需の反動減に苦しんでいたが、10月以降盛り返し、販売台数前年比増を維持している。PC本体は、コロナ禍特需の反動減で苦戦。台数、金額とも前年同月比で2桁マイナスが4カ月連続しているだけに、液晶ディスプレイの健闘が目立つ。全国2300店舗の実売データを集計するBCNランキングで明らかになった。

生成AI活用や複数資料を表示させながら資料作成

ここ数年、デジタルコンテンツとの接し方が、以前にも増してより同時・多重的なスタイルへと変化してきた。

例えば、PC利用の場面では、複数の資料を参照しながらドキュメントを作ったり、生成AIに作成の補助をさせながら、プレゼン資料を作成するなど、多くの情報ソースを表示して作業するのは、もはや当たり前。さらに極端な場合は、YouTubeの動画を倍速で流し見しながら別のYouTube動画をチェックする、といった視聴スタイルも珍しくなくなってきた。

ブラウン管時代の重くて大きなディスプレイなら、できるだけ画面が大きく、解像度の高い製品を1台買って、広いデスクトップを確保することで対応したことだろう。

しかし、ディスプレイが液晶に置き換わり、薄型化、軽量化。価格も大幅に安くなったことで、複数のディスプレイで作業することに抵抗がなくなった。一度に触れるコンテンツの種類と数が増えても、ディスプレイを足せば解決だ。

3万円台で買える4Kディスプレイも

もちろん、かなり昔から一般的なノートPCに外付けディスプレイを追加して作業するというニーズも衰えていない。これに、マルチディスプレイ環境の普及やゲーミング需要の拡大といった新たな需要が加わり、活況を生み出している。

価格の安さも効いている。24~27インチ程度で2万円台~3万円台。フルHDモデルが大半だが、3万円台で買える4Kディスプレイも登場し始めている。販売状況は、昨年秋ごろまでは台数、金額ともに前年割れの場面が多かったが、10月に台数前年同月比が118.7%、金額が111.6%を記録して復活した。

販売金額が前年を下回る場面はあったものの、台数に関しては前年比増を続けている。この2月は、台数112.5%、金額も102.7%と前年比増を維持。税抜き平均単価は、やや右肩下がりの2万5000円前後で推移している。

PC本体のAIによる新たな局面でディスプレイ市場も変化?

メーカーシェアでは、国内市場で安定的にトップを走っているのがIOデータ機器。20%弱で推移しており、この2月の販売台数シェアは18.3%だった。

一方、最近シェアを伸ばしているのが日本エイサーだ。昨年9月には、一時16.6%のシェアを得て1位の座を獲得。その勢いこそ維持することはできなかったが、2月現在でも12.4%で2位を走っている。

3位はデルだ。昨年7月に一時16.1%のシェアで2位まで浮上したが、日本エイサーとシェアの2位争いを展開。この2月は10.2%と、上位2社を追うポジションだ。3位以降は、ASUS、フィリップス、BenQジャパン、JAPANNEXTが僅差で競っており、7~8%のシェアでひしめいている。

ディスプレイは堅調だが、やはりPC本体の不調は気になるところ。このままPC不調が続けば、ディスプレイも少なからず影響を受けることになるだろう。

PC本体は、今年、AIを軸に新たな場面に入りつつある。PC活用のフィールドが広がれば、おのずとディスプレイの重要度も増す。AIをきっかけにPC市場が盛り返せば、液晶ディスプレイ市場はさらにドライブがかかることになるだろう。(BCN・道越一郎)