株式会社誠文堂新光社(東京都文京区)は、2024年9月18日(金)に、『なぜ彗星は夜空に長い尾をひくのか』を発売いたします。
2024年の秋、「紫金山・アトラス彗星」が太陽に接近して、-5等級の明るさになり肉眼でも見えると予測されていました。この明るさは夕方や明け方の空でまぶしいぐらいに輝く金星に匹敵する明るさです。
有名なハレー彗星や百武彗星を彷彿させるような巨大彗星になるかもしれないと、大きな期待が寄せられました。
一方で世界的な彗星軌道の学者が、「紫金山・アトラス彗星」は太陽に接近しながら彗星核が分裂して、崩壊するという内容の論文を提出し、天文ファンの間で「紫金山・アトラス彗星」の動向が話題となりました。
9月初旬現在、彗星は太陽の方角で見えない位置にありますが、崩壊せず9月27日の近日点通過に向けて、太陽に接近中です。
当初の観測予報では、肉眼で見える彗星の中で、この10年で最も明るくなると予報されていました。そこまで明るくならない場合でも、肉眼で見える彗星になると予報されています。
彗星は、多くの人が夜空で尾を引く姿をイメージしますが、古くはその姿から「ほうき星」と呼ばれていました。
天体として彗星はなじみがありますが、実際に彗星の姿を見たことがある人や、彗星が尾を引く仕組み、宇宙のどこからやって来るかを知る人は少ないでしょう。
本書では、この秋明るくなる「紫金山・アトラス彗星」をはじめ、ハレー彗星、ヘール・ボップ彗星、マックノート彗星など、歴史に残る大彗星などを例に、国立天文台の渡部潤一先生が解説します。
彗星の起源やその軌道、尾がのびる仕組みや見え方はもちろん、彗星の明るさや尾の長さの予報が当たる彗星と、当たらない彗星の違い、さらには、なぜ予報が当たらないのかなど、彗星について知ることができます。
【目次】
【著者プロフィール】
渡部 潤一(わたなべ じゅんいち)
1960年、福島県会津若松市生まれ。天文学者。東京大学、東京大学大学院を経て東京大学東京天文台に入台。ハワイ大学研究員となり、すばる望遠鏡建設推進を担う。長年、天文学の広報・普及活動に携わる。2006年にIAU(国際天文学連合)の惑星定義委員として準惑星のカテゴリーを誕生させ、冥王星をその座に据えた。その後、自然科学研究機構国立天文台副台長を経て、現在は同天文台上席教授、総合研究大学院大学教授、2018年8月から2024年8月までIAU(国際天文学連合)副会長を務める。おもな著書に『賢治と「星を観る」(NHK出版)、『星空の散歩道』(教育評論社)、『古代文明と星空の謎』(ちくまプリマー新書)、『しし座流星雨がやってくる』(誠文堂新光社)など多数。
【書籍概要】
書 名:なぜ彗星は夜空に長い尾をひくのか
著 者:渡部 潤一
仕 様:四六判、244ページ
定 価:1,760円(税込)
発売日:2024年9月18日(水)
ISBN:978-4-416-52434-3
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