異業種参入で「共通ポイント」に地殻変動、顧客満足度への影響は?


 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、10月22日にJ.D. パワー 2024年共通ポイントサービス満足度調査(SM)の結果を発表いたします。

携帯大手各社を中心としたポイント経済圏競争やキャッシュレス決済の普及により、「ポイ活」は多くの消費者にとって大変身近なものとなっています。さらに、最近では大手金融グループによる新しい共通ポイントサービスの誕生や、鉄道事業者によるネット銀行の開始等、ポイント経済圏を取り巻く環境は通信系や流通系ポイントサービスにとどまらず、金融系、鉄道系と群雄割拠の様相を呈しています。

J.D. パワーでは共通ポイントサービスのユーザーを対象に、2021年から年に1回、共通ポイントサービス満足度調査を実施し、ポイントサービスの利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにしています。業界内で新たな動きが相次ぎ、ポイント経済圏の勢力争いが激化する中、本年2024年調査では、「通信系」と「流通系」のポイントサービスに加え、「金融系」と「鉄道系」のサービスを初めて対象に含め、業界横断的に各共通ポイントサービスの位置づけを明らかにします。調査結果は10月22日に発表予定です。


昨年調査(2023年10月発表)によると、メインで利用している共通ポイントサービスの利用期間は6割以上(61%)が「3年超」であり、「1年以内」は約1割(11%)にとどまりました。多くのユーザーは、一度メインの共通ポイントサービスを利用し始めると他のサービスへスイッチしない傾向にあると言えます。しかし、年代別に見ると、10代-20代の若年層においては「1年以内」が2割超(22%)に達し、他の世代と比べて約2~3倍となっており、新規ユーザーの獲得には、若年層をターゲットとしたサービス戦略が重要になると考えられます。
 また、メインで利用している共通ポイントの利用のきっかけや理由として、どの年代においても「そのポイントが貯まる/使用できるお店や通販サイトをよく利用するから」、「ポイントを貯める方法が豊富だから(様々な店舗・サービスで貯められるから)」が共に4割前後と多く挙がっており、ポイントの貯まりやすさが主要因となっています。こうした中、若年層においては「家族や友人・知人も使っていたから」を理由に挙げるユーザーが2割と、他の年代よりも多いことが特徴です。
 最近の金融系や鉄道系といった異業種からのポイント経済圏への本格参入においては、若年層をターゲットにしたサービス展開が顕著に見られています。例えば、大手金融グループが開始した総合金融サービスは、決済時に高いポイント還元が受けられるものとなっていますが、スマートフォンのモバイルアプリのみで完結する設計となっています。また、今後は家計簿・資産管理アプリとの連携も計画されています。鉄道事業者においては、モバイルIC乗車券の利用で高いポイント還元が受けられるほか、ネットバンクサービスの利用等によりポイントが付与されるようになっています。様々な業態からの本格参入が続く共通ポイント市場では、新規ユーザーの獲得や囲い込みに向けて、若年層も視野に入れた新しいサービス展開やポイント付与の仕組み作りが重要と言えます。

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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。
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