いろんなカップラーメンを「焼きそば化」

この夏「日清焼きそばU.F.O」と「カップヌードル シーフード」のコラボで誕生した、シーフードヌードル味の焼きそばが大きな話題となった。その商品をコンビニで見て、「ピン!」と閃いたのが、「さまざまなカップラーメンを“焼きそば化”してみる」というアイデア。お湯をかけて完成するインスタントラーメンの麺に大きな違いはないはずだし、あとは味の調整がうまくいけばきっとどれも美味いはず。ということで、特に誰も推奨していない禁断の実験を開始する。

禁断実験1:カップヌードル ノーマル味を“焼きそば化”

シーフード味が成功したならこちらはどうだ、ということで記念すべき1品目としてカップヌードルのノーマル味をセレクト。このシリーズは乾燥具材や調味料が小分けされておらず、最初から麺の上に振りかけられているので、完成までに少々の手間が必要となる。

まず蓋を開けて、お皿の上でカップヌードルの容器をひっくり返し、具材と粉末スープをできるだけ取り出していく。ワシャワシャと30秒くらい振り続けると、ほとんどの具材が出てくるが、乾麺の隙間に入り込んでいる粉末スープはあまり出てこない。それが吉と出るか凶と出るかは食べてからのお楽しみ。

次にカップヌードルの容器に熱湯を注いで、1分30秒ほど待つ。そして麺が流れ落ちないように箸でせき止めながら、お湯の80%を捨てる(このお湯は別の容器に入れてスープとしていただこう)。そして、20%のお湯と麺が残っている容器に、先ほどお皿に取り出した乾燥具材と粉末スープを入れて、しっかりとかき混ぜ、ここから1分程度時間をおいたら完成。

お皿に入れると見た目はまさしく、カップヌードルの焼きそば仕立てで若干興奮するレベル。海老がまだ乾燥している感じもするが、そんなに硬そうでもないし、きっといけるはず。ということで、ズルズルと啜ってみると「うおー! 想像通り、いや想像以上の完成度やんか」。

いつものカップヌードルの味わいをしっかりと感じるけれど、スープがほど良く流れたのだろう、全く辛くも濃くもなく、ガンガンいただける。海老を含めて具材もしっとりとしていて、味わいはスープありの通常版よりも増している。サイズがBIGでもあっという間になくなるのが寂しいが、これは最初から大成功。

禁断実験2:ローソンオリジナルのとんこつラーメンを“焼きそば化”

次にチャレンジしたのは、とんこつラーメン。こちらの商品は、先に入れるの粉末スープと、食べる直前に入れる調味オイルが付いている。

ということで、まずは麺だけが入っている状態の容器に熱湯を注いで1分30秒ほど待ち、やはりお湯を80%捨てて、先に入れる粉末スープを半分より少し少ない程度ふりかける。そしてよくかき混ぜて、また1分程度待ち、器に盛り付ける前に調味オイルも半分より少ない程度入れると完成。

具材がネギだけなので若干寂しいが、ガーリックの香りが強烈で食欲がそそられる。ズバババっといただいてみると、「ウホー! 香りがそうなんだから味もそりゃそうだ」。ガーリック味が脳天に駆け上っていく。そして、じんわりとまろやかなとんこつ味が口に広がり、最後に唐辛子の辛味が残る。

オイルの量もかなり減らしたはずなのだが、スープではなく麺に直接かけているためより強烈に感じるのだろう。通常のラーメンとはまた違った味わいも楽しめ、これも大成功といえそうだ。

禁断実験3:東京の新しい名店の塩そばを“焼きそば化”

次に選んだのは甲州街道沿いに2023年1月に誕生し、今なお行列が絶えない「桜上水 船越」監修のカップラーメン。上質なさっぱり系塩ラーメンの“焼きそば化”が成功するか、ワクワクが止まらない。

こちらはチャーシューなどの乾燥具材は最初から容器に入れて、お湯を注ぎ3分ほど待つ。あとは、ほかと同様の作り方で完成。これまでの2品はいい意味でカップラーメンぽい麺だったが、こちらはなかなか太い平麺で、より本物の焼きそばに近い印象だ。

ではズバババといただいてみると、「ウムム、麺がモチモチとして食感も喉越しもいい感じ」。だけど、ちょっと味が上品すぎるような、ということで液体スープと粉末スープをもう少し足してみる。簡単に味を調整できるのも“焼きそば化”のいいところかも。

改めていただいてみると、「いやこれ、うまーい!」。やはり、さっぱりとした塩味ながら動物性と魚介類両方の風味が濃縮されており、後味に胡椒がピリリと残る。さすがに桜上水の本店と比べることはできないが、逆にいうと家庭でしか体験できないアレンジなので、焼きそばファンにはぜひ体験していただきたい。通常版のカップラーメンと食べ比べるのもおすすめ。

禁断実験4:今はなき伝説的煮干しそばを“焼きそば化”

最後は、今はなき「つじ田 奥の院」の味を再現し、2024年5月の発売以来大人気を博しているこちら「煮干しそば」を“焼きそば化”。

先ほどの桜上水 船越と全く同じ作り方で完成するが、薄味になった反省も踏まえて、少しだけ多く液体スープと粉末スープを加えておいた。お皿に盛り付けると、高級感すら漂う丸細麺から煮干しラーメンそのものの香りが漂い、なんとも美味そうだ。

ではズバズババといただいてみると、「フンガー! めちゃめちゃ美味いです、これ~」。まずガツンと煮干しの味わいにやられ、ゆっくりと豊潤な醤油の香りが広がっていく。味のキレも良くて、すぐに煮干し味が恋しくなり、またズバババ。その度に旨味が凝縮された煮干しにいいパンチをもらい、涙を流しながらノックアウトされる感じ。

かつて超濃厚なポタージュ系煮干しラーメンなるものが流行ったが、その破壊力がありながらも、スッと煮干し感が消えていくのが新感覚。これも、スープが口に残らない“焼きそば化”の特徴かも。なんなら煮干しガッツリ系の焼きそばは、これから流行るかも。

どれも衝撃を受ける美味さ

というわけで、今回は4品の“焼きそば化”を試みたが、どれも衝撃を受ける美味さだった。何より驚いたのが、カップラーメンとしての味わいもしっかり感じられる上、ダイレクトにぞれぞれの魅力が楽しめること。残ったスープはお湯に入れていただくことを誓いつつ、また別のカップラーメンの“焼きそば化”にもチャレンジしたい。(エフェクト・山葉のぶゆき)