府内最大規模の防災コーナー 7企業と連携し、7ブースと1ステージで最新対策を紹介


出発式で市長から激励を受ける職員。輪島市の避難所支援へ / 市役所玄関前

能登半島地震でも大活躍!本市が所有する水道不要の手洗いシステム

泉大津市は、9月21日(土)・22日(日)に開催する「IZUMIOTSU WELL-BEING EXPO2024」で、最新の防災対策を紹介するブースを出展します。本ブースでは、能登半島地震で明らかになった課題に対する “具体的なソリューション” を提案します。
今年1月2日から6月1日までの期間、本市は能登半島地震の被災地に合計25人の職員を派遣し、泊まり込みで避難所の支援を行いました。その “現場で直面した” 衣食住の課題をもとに、以下の3つのテーマを掲げた展示を行います。「1.毛布の隠れ不満をなくす」「2.水の制約をなくす」「3.いつもと、もしもの境界」をなくす。
 この3つのテーマに基づき、最新のテクノロジーを駆使した実用的な防災ソリューションを紹介します。例えば、避難所での毛布不足を解消するための新型アイテム、水道のない場所で手洗いや入浴を実現する水循環システム、そして日常と非常時の境界をなくすための防災アイテムなど、多岐にわたる展示を予定しています。
本年度、各地で開催されるプレ万博イベントの中で、防災分野で、7つの企業と連携して7ブースと1ステージを展開するのは本市のみで、最大規模の展示となります。

テーマ1 毛布の隠れ不満をなくす / 日本毛布工業組合 / 瀧芳株式会社・株式会社オールユアーズ
“日本一” 被災地に毛布を届けてきたまち、泉大津
泉大津市は国内毛布生産の約90%を占める日本一の毛布のまちです。本市には毛布業界の代表団体である日本毛布工業組合もあり、政府機関と連携し、これまで東日本大震災や能登半島地震など、多くの災害被災地に毛布を届けてきました。
毛布の“隠れ不満” 「場所をとる」「運びにくい」
近年、災害は頻発化・激甚化しています。毛布は重要な備蓄物資ですが、場所を確保し管理することは実は簡単ではありません。自治体が備蓄することも、市民が家から避難所へ持ち運ぶことも容易ではありません。実際、避難所となる小中学校の備蓄スペースは限られ、全市民分の毛布を常備することは難しい現状です。
「日本一の毛布のまち」として知られる泉大津市。しかし、ここには巨大な工場が立ち並ぶわけではありません。むしろ、町工場の職人たちが丹精込めて毛布を作り上げる職人のまちです。手作業による精緻な製造工程が特徴で、大量生産や在庫管理に対する制約も厳しいのが現状です。これにより、災害時の急な需要に対応するのも簡単ではありません。


泉大津市内の毛布工場 / 瀧芳(株)

起毛職人 瀧谷一夫 / 瀧芳(株)



課題解決のための新型アイテム「モフバッグ」
これらの課題を解決するため、市と日本毛布工業組合は意見交換を重ね、「モフバッグ」が誕生しました。モフバッグは家庭用毛布をコンパクトに収納でき、持ち運びやすく設計されています。開発には、多くの苦労と試行錯誤がありましたが、「全ての市民が安心して避難生活を送れるように」という想いで完成させました。

モフバック/ 両手をあけて持ちだせる。自宅でコンパクトに収納

輪島市の避難所支援で見た、避難所毛布の実際
本市では想定避難者数×1枚の毛布を備蓄していますが、実際には一人1枚では足りません。輪島市への避難所支援で本市職員が見たのは、避難所で使用されている毛布の種類がバラバラなこと。一枚では足らず、家から寝具を持ち込む方が多く見られました。
阪神淡路大震災から30年、毛布問題は長年の課題です。モフバッグは、避難所での毛布不足を解消し、個人が自助の備えとして持ち運べるようにします。被災地での実体験を反映したこの新しいアイテムが、多くの人々に安心と安全を届けることを願っています。

配色を担当する泉大津市職員(輪島市の避難所)

さまざまな種類の寝具(輪島市の避難所)


テーマ(2)水の制約を無くす / ハイテク手洗い器 & シャワー / WOTA株式会社
生活用水の確保が震災時の大きな課題
災害時、飲み水は比較的早く確保されることが多い一方で、手洗いや入浴といった生活用水の確保は非常に困難です。仙台市が行った東日本大震災に関する市民アンケート調査報告書(平成24年3月)によると、「自宅で生活する中で、特に不自由と感じたこと」の第1位は「断水でトイレ・風呂などの生活用水の確保」であり、49.9%の市民がこれを挙げています。この調査結果は、飲料水以上に生活用水の不足が深刻な問題として認識されていることを示しています。
行政の課題:生活用水の確保
行政側も生活用水の不足に対する有効な対策を見いだすことが長年の課題です。飲料水のように簡単に配布できない上、保存方法がわからないなどの理由から、手洗いや入浴の支援が後回しにされる現状があります。これにより、災害時における生活の質は大きく低下し、衛生面でのリスクも高まります。
能登半島地震で大活躍。水道がなくても使える最先端技術のハイテク手洗い器とシャワー
今回の展示では、水道がない場所でも手洗いやシャワー入浴を実現する「循環型手洗いスタンドWOSH」と「循環型シャワーWOTA BOX」を実演します。これらの技術は、長年の課題であった震災時の生活用水の確保を根本的に解決する可能性を秘めています。実際に、能登半島地震ではこれらの技術が大活躍し、手洗いスタンド約200台、シャワー約100台が避難所に設置されました。この取り組みにより、長期断水が続く避難所全体の84%をカバーすることができました。また、本市が備蓄するシャワーも能登町の不動寺公民館の避難所で活用され、多くの避難者の生活を支えました。

不動寺公民館 避難所(能登町)

不動寺公民館で活用された本市のシャワー

本市の手洗いスタンドとシャワー / 各2台保有

詳細はホームページをご覧ください。
WOTA BOX:シャワー
WOSH:手洗いスタンド

テーマ(3) いつもともしもの壁をなくす / いつもの暮らしにも、もしもの暮らしにも役立つ商品を紹介
近年、地震、台風、豪雨などの自然災害が頻発し、いつどこで発生するかわからない状況です。こうした災害に備えておくことは重要ですが、いつ起こるかわからない災害に対する準備は誰にとっても難しい課題です。
そこで、本市では日常と非常時の境界をなくし、どちらの状態でも役立つ製品やサービスを提供する新しい考え方を取り入れています。これにより、特別な準備が不要となり、非常時にも普段使い慣れた製品を活用することができます。
本市は、災害協定を結んでいる企業と連携し、防災訓練やイベントを通じて、災害時の備えについての普及啓発に努めています。その取り組みの一環として、各社が考案した「いつもの暮らしにも、もしもの暮らしにも、役立つ」商品の紹介を行っており、今回のプレイベントでもこれらの商品を披露します。これらの商品は震災経験から生まれ、日常生活でも非常時でも役立つものばかりです。
例えば、能登半島地震の際には、非常用携帯トイレが支援物資として届けられましたが、使い方がわからないという事例が報告されています。非常用携帯トイレは、アウトドアや車の渋滞時などにも便利ですが、非常時に初めて使うのではなく、普段から使い慣れていることが非常に重要です。

花王「どこでも袋でお洗濯」

ピジョン「ソナエッタ」

グリコ「液体ミルク アイクレオ」


詳細はホームページをご覧ください。
花王:どこでも袋でお洗濯
ピジョン:ソナエッタ
江崎グリコ:アイクレオ

ステージメニュー/ 毛布王決定戦 MCは吉本興業所属 芸名の由来が 「毛布」 の“藤本もふ”
9月22日(日)午前11時35分から「毛布王決定戦」を開催します。毛布にまつわる歴史や知識をテーマにしたクイズ大会で、参加者に楽しいひとときを提供します。MCには、M1準決勝進出経験もある吉本興業の若手お笑い芸人コンビ「タイムキーパー」と芸名の由来が毛布の「藤本もふ」をお迎えします。「笑いあり、学びあり」の45分間をお届けします。
クイズを通じて毛布に関する知識を深め、豪華景品を目指して競い合います。最も多くのポイントを獲得した方には「毛布王」の称号と特別な景品が贈られます。

MC / タイムキーパー

MC / 藤本もふ

IZUMIOTSU WELL-BEING EXPO 2024 概要

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