藤井聡太JT杯覇者が佐々木大地七段を129手で破り、準決勝に進出した。次戦は、準決勝第二局で広瀬章人九段と対局予定。
【実施概要】
タ イ ト ル: 「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」 二回戦第四局
日 程: 2024年9月21日(土)
場 所: 札幌コンベンションセンター 大ホール(住所:北海道札幌市白石区東札幌6条1丁目1-1)
【「JTプロ公式戦」結果】
対 局: 藤井聡太 JT杯覇者(先手)対 佐々木大地 七段(後手)
結 果: 129手にて藤井JT杯覇者の勝ち
【「JTプロ公式戦」今日のハイライト】
藤井JT杯覇者、熱戦を制しベスト4進出
振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、歩が4枚で藤井JT杯覇者の先手と決まる。藤井JT杯覇者得意の角換わり腰掛け銀から45手目▲4五桂と仕掛ける。お互い取った桂を打ち合う展開。後手の中住まい玉の薄さを突いて、先手の攻めがなかなか切れず、飛車を入手して先手ペースになるも、佐々木七段も△3四角と攻防の角を放ち、難解な大熱戦となる。最後は125手目▲5一銀が決め手となり、藤井JT杯覇者が勝利。三連覇へ向けて初戦を突破しベスト4進出を決めた。
【対局前日の両者のコメント】
藤井JT杯覇者「『JTプロ公式戦』は早指しなので、決断良く指すことが求められます。公開対局は始まってしまえば集中できますし、大勢の前で指すことは、いいモチベーションになっています。佐々木七段は攻守にバランスの取れた棋風で、どんな展開になっても急所を見極める力があると感じています。明日はしっかり集中して熱戦をお見せできるよう頑張りたいと思います。」
佐々木七段「早指しは苦手ではないですが得意というほどでもありません。公開対局は思ったほど緊張はしなかったですね。ただこの棋戦は封じ手があるので、先手が大きいのかなと感じました。藤井JT杯覇者は将棋の精度の高さがありますが、最近さらに安定感が増しているような気がしています。明日は初心に帰って将棋の読み合いを楽しみたい。自然体で戦いに臨めればと思います。」
【勝利棋士 藤井JT杯覇者のコメント】
角換わり腰掛け銀になったらやってみようという形が、61手目▲4七桂でした。後手の△7四桂は跳ねると守りの金にあたる位置ですし、何より▲7四歩を消しています。▲2二歩は△同金とは取りづらいので、部分的には攻めが続く形かなと思いました。▲2一角成と飛車を取った局面は先手がやれるかもしれませんが、4八の金が離れているのが気になりました。その後実戦的には難しい戦いになり、こちらが苦しい局面もありましたが、最後▲5一銀で勝ちになったと思いました。次の準決勝は終盤に定評がある広瀬九段です。熱戦をお見せできるよう頑張りたいと思います。
【講評】
藤井JT杯覇者の角換わり腰掛け銀を後手の佐々木七段が堂々と受けて立ちました。お互い研究範囲なのかかなり早い進行です。先手は▲4七桂を軸にした組み立てで、それに対し後手は中住まいの薄い玉をどうまとめていくのかという将棋です。たとえば66手目△2二同金だと▲5五銀△同銀▲同桂△5四歩▲8二銀(△同飛は▲7一角)という攻め筋です。85手目▲2一角成と飛車を入手してやや先手ペースになったと思いますが、佐々木七段の△3四角が粘り強い一手で、その後の展開は正確に読み切れないほど難解でした。最後は▲5一銀が厳しい手で藤井JT杯覇者が勝利しましたが、難しい中終盤は見どころ十分だったと思います。 松尾 歩八段談
【投了図】 藤井 聡太 JT杯覇者(先手)対 佐々木 大地 七段(後手)
【棋 譜】 藤井 聡太 JT杯覇者(先手)対 佐々木 大地 七段(後手)
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7六歩 △3二金
▲7七角 △3四歩 ▲6八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀
▲1六歩 △9四歩 ▲9六歩 △1四歩 ▲7八金 △3三銀
▲4八銀 △6二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲3六歩 △6三銀
▲6八玉 △4二玉 ▲3七桂 △7四歩 ▲4七銀 △7三桂
▲4八金 △8一飛 ▲2九飛 △6二金 ▲5六銀 △5四銀
▲6六歩 △6三銀 ▲6九玉 △5一飛 ▲7九玉 △4一飛
▲2八飛 △5四銀 ▲4五桂 △2二銀 ▲7五歩 △同 歩
▲5三桂成 △同 玉 ▲7四歩 △4四歩 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三銀 ▲2九飛 △2四歩 ▲7三歩成 △同 金
▲4七桂 △8一飛 ▲3五歩 △7四桂 ▲2二歩 △3三桂
▲3四歩 △同 銀 ▲2四飛 △2三銀 ▲2九飛 △2六歩
▲2一歩成 △同 飛 ▲5五銀 △同 銀 ▲同 桂 △5四歩
▲2四歩 △同 銀 ▲4三銀 △同 金 ▲3二角 △5五歩
▲2一角成 △3四角 ▲4五歩 △8六歩 ▲同 歩 △8八歩
▲同 玉 △8七歩 ▲同 金 △8五歩 ▲7一飛 △6二銀
▲9一飛成 △4五角 ▲4七香 △5四角 ▲6五歩 △同 角
▲7六歩 △8六歩 ▲同 銀 △8四桂 ▲7八玉 △7六桂
▲7五銀 △6八桂成 ▲同 玉 △8七角成 ▲6七桂 △7八銀
▲4一龍 △4二金打 ▲6一龍 △6七銀成 ▲同 玉 △6三桂
▲7四銀 △同 金 ▲6八玉 △7七歩 ▲5一銀 △7八歩成
▲5九玉 △7六馬 ▲4二銀不成 まで129手で先手の勝ち
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