ベストセラー「泣くな研修医」著者が中堅外科医のバディものという新たな題材に挑み、話題となった『俺たちは神じゃない 麻布中央病院外科』。2年の時を経て、その続編の文庫オリジナル短篇集が遂に誕生しました。今回のテーマは「誰でも患者になる」!
「外科医コンビ第2弾では、去年自分の病院に入院したときのことや、19歳で人工肛門になってから医師を志した友人の話を書きました」中山祐次郎





麻布中央病院に勤務する剣崎啓介は15年目の中堅外科医。神奈川のサラリーマン家庭出身で東大医学部にストレートで合格した秀才です。大腸癌のプロフェッショナルで手技のレベルは高く、腹腔鏡手術やロボット手術も得意としていますが、生真面目な性格で悩みがち。その親友の松島直武(通称まっちゃん)は医師同期にあたるものの、剣崎とは対照的なキャラクター。大阪の医者一族に生まれ、その地の私立医大を卒業しています。海外を含むさまざまな病院で経験を積んでおり、危機対応能力の高さは病院イチ(銃創にさえ対処できるとの噂)。陽気な性格で周囲の空気を和ませますが、一本気でケンカっぱやい面も。

青年医師の苦悩と成長が共感を呼び、多くの読者に支持される「泣くな研修医」シリーズ。
それに対して「俺たちは神じゃない」シリーズは、チームを率いるプロフェッショナルとして命の現場に立つ中山祐次郎さんがふたりの凄腕中堅外科医に想いを託した作品です。

長篇として構築された前作は、院長じきじきに国会議員の癌切除を依頼された剣崎が松島を助手にロボット手術を進めていったものの幾つかの危機に直面するシーンをクライマックスとしていましたが、今作は「小説新潮」誌に掲載された作品を集めた短編集です。表題作「救いたくない命」は雑誌掲載後、9人の医師作家の競作で話題となり、現在も版を重ねる『夜明けのカルテ 医師作家アンソロジー』に収録された作品で、アンソロジー刊行後、読者からおおきな反響がありました。被害者の夫に返り討ちに遭い、瀕死の状態にある無差別殺人犯を医師人生をかけて救命すべきか否かという重いテーマを骨格とした小説です。

他にも、末期癌を宣告されたのち剣崎のもとに現れた、高校時代の恩師(ただし決裂の因縁あり)。重い病のため死の淵まで至ってしまい、自暴自棄になってしまった青年。日ごろ頼りにしている手術室看護師の息子などに、ふたりはメスと人間力で対応してゆきます。そして夏のある日、剣崎はオペ室で本格的な体調不良に襲われます。剣崎は親友の執刀を受けることになるのです。医師は自らが病を抱えたときに何を想い、どう行動するのか。患者という立場しか知らない読者にとって、興味深い小説がまた1作生まれました。

今作品集では、解説者としてドラマ・プロデューサーの植田博樹氏を迎えています。
TBSテレビで長年連続ドラマ制作に携わり「ケイゾク」「SPEC」などでバディものを手がけてきた植田さんが医師バディものの魅力に迫ってくださいました。こちらも読みどころとなっています。


■収録作品

「救いたくない命」
「午前4時の惜別」
「医学生、誕生」
「メスを擱いた男」*文庫書き下ろし
「白昼の5分間」
「患者名・剣崎啓介」*文庫書き下ろし
解説・植田博樹

■書籍内容

死線をさまよう殺人犯、末期癌になった恩師。麻布中央病院に勤める剣崎啓介と松島直武はさまざまな患者を手術する。つらいことばかりではない。彼らが救った青年が医学部進学の夢を抱いたのだから。夏のある日、剣崎は腹痛に襲われる。この症状は何だっけ? 誰でも患者になる。そう、医師だって。頼れる相棒にして親友、凄腕外科医コンビの活躍を描く、医学エンターテインメント第2弾。
 
■著者紹介

中山祐次郎(なかやま・ゆうじろう)
1980年、神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。京都大学大学院で公衆衛生学修士を、福島県立医科大学大学院で医学博士を取得。湘南医療大学臨床教授。2019年に『泣くな研修医』で小説家としてデビュー。シリーズあわせて50万部を超えるベストセラーに。ほかの作品に『俺たちは神じゃない 麻布中央病院外科』がある。大腸がん治療を専門とする消化器外科医として日々手術を執刀している。

■書籍データ

【タイトル】『救いたくない命 俺たちは神じゃない2』
【著者名】中山祐次郎
【発売日】9月30日
【造本】文庫版
【定価】781円(税込)
【ISBN】978-4-10-103982-4
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/103982/
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