~転職活動の“よくある落とし穴”をキャリアアドバイザーらが解説~
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、管理職向け転職セミナー「転職活動のポイントとよくある落とし穴」を9月4日(水)に開催しました。講師として、ミドルシニア事業企画部の責任者である石井 宏司と、「doda」でキャリアアドバイザーを務める藤田 有佳が登壇し、最新の転職市場動向や管理職特有の転職活動のポイントなどを解説しました。本レポートではその内容を一部抜粋して紹介します。
開催背景:
近年、生産年齢人口の減少による構造的な人材不足が深刻化しています。加えて企業の事業拡大や組織再編が進む中、即戦力となる管理職経験者の採用ニーズは高まっており、転職市場は追い風の状況にあるといえます。しかしながら、管理職経験者には転職経験がない人も多く、転職ノウハウを熟知していないケースが多々見られます。そのため、自身の魅力を伝えきれず、転職活動が難航することも少なくありません。実際に、キャリアアドバイザーに対し「情報がたくさんあるけれど自分に合った仕事が分からない」「転職活動を始めたが思ったよりもうまくいかない」と悩む声が寄せられています。こうした状況を受け、管理職経験者を対象に転職ノウハウを解説するセミナーを開催しました。
今後も、転職サービス「doda」は、学びとなる情報の提供や転職サポートを継続して提供することで、管理職経験者をはじめとするミドルシニアのキャリアオーナーシップ発揮を応援してまいります。
セミナー概要(一部抜粋):
本セミナーでは、転職市場動向の解説に加え、応募~役員面接のフェーズごとに具体例を挙げながら対策方法をお伝えしました。当日の参加者は200名を超え、事後アンケートでは8割以上が「満足」と回答。「管理職採用にフォーカスを当てた転職セミナーの情報は珍しく、有益だった」「年齢やポジションに合う対策の必要性を感じた」といった感想も寄せられました。
ここからは、本セミナーの中から転職のファーストステップでありつまずきやすいポイントでもある「応募」パートの内容を一部抜粋し、3つの「よくある落とし穴」とアドバイスを紹介します。
トピックス1.40代以上の平均応募数は24.9社。他社エージェント経由なども含めると100社以上応募する個人も珍しくない
1つめのよくある落とし穴は、「むやみに応募するのはマナー違反になるので、1社ずつ応募する」です。実際には、企業の求人状況は常に変化しており、1社ずつ応募していると狙っていた求人の募集が終了してしまうことがあります。また、管理職採用においては、仮ポジションの求人を立てたのちに条件を調整する企業もあり、採用対象者の人物像が途中で変更される可能性もあります。そのため、転職活動のファーストステップである応募フェーズでは、少しでも気になった求人があればまずは応募してみること。応募数の調整は、面接に数社進むようになってから行うのが大事であることを、石井からお話しました。
現に転職サービス「doda」のエージェントサービスを利用した転職成功者のデータをみると、2023年における40代以上の平均応募数は24.9社でした。他社のエージェントやヘッドハンティング、求人広告経由で応募した件数を含めると、100社や200社に応募する方も珍しくありません。藤田からは「会って話をしないとお互いにわからないことも多い。応募数自体を目標にするよりも、面接で多くの企業と直接コミュニケーションを取る機会を作ることを目標にしてほしい」とお伝えしました。
トピックス2.管理職採用と一般職採用では採用背景や期待値、競争率などが大きく異なる
2つめのよくある落とし穴は、「求人票に未経験歓迎と書いてあるため、自分も大丈夫と思い応募する」です。管理職採用では、変革フェーズの企業から新規プロジェクトや新機能組織の立ち上げなどを求められることが多くあります。一方で、未経験可と記載のある求人はメンバー層を対象にしているものが多く、管理職層が応募するとミスマッチが起きやすいことを石井が解説しました。そのため、管理職の転職は、企業から期待されている即戦力としてのスキルやリーダーシップを面接などでPRすることが重要となります。
トピックス3.納得感のある転職に向けた応募のポイントは「企業規模や勤務エリア、職種、年収などの条件を見直すこと」「情報源を広げること」
3つめのよくある落とし穴は、「今後の安定を考え、大企業に絞って応募する」です。例えば、「大手企業×都内勤務×手厚い福利厚生」など複数条件を満たす求人に絞って応募をしていることで「自分の希望条件にあう企業が少ない」と相談を受けることも多いのが実態です。
納得感のある転職をするために、具体的な応募の増やし方について、藤田からは「応募時点では絶対に譲れない条件のみに絞り、それ以外の条件は調整できる場合もあるため面接の場で実現可否を確認する」こと、もし納得のいく転職をするためにすべての条件を諦めないという選択をする場合は「複数のエージェントに登録するほか、自身の人脈やハローワークなどにも情報源を広げ、時間をかけて求人を探し続ける」ことなどをアドバイスしました。また、実際に都内から関東エリアまで勤務地条件を広げた経験がある石井は「県名で遠い印象を抱いても、案外通える距離感だったこともある。地図アプリで通勤時間を見てみるのもおすすめ」だと話しました。
■登壇者プロフィール
ミドルシニア事業企画部 ゼネラルマネジャー 石井 宏司(いしい こうじ)
2023年パーソルキャリアに中途入社。同年10月、ミドルシニア事業企画部のゼネラルマネジャーに就任。就労人口が平均50歳を超える2030年を見据え、社内におけるミドルシニアのキャリア支援体制の強化を推進するほか、ミドルシニアが活躍できる市場の開発にも取り組む。
自社の事例やデータに基づく転職市場動向の解説に加え、大手コンサルティング会社での勤務経験を活かし、アカデミックな視点から多角的な分析や課題の特定を得意とする、ミドルシニアの労働市場全般におけるスペシャリスト。特に脱炭素領域やメーカーの技術職、ミドルバック系職種の市場動向分析に強みを持つ。
dodaキャリアアドバイザー 藤田 有佳(ふじた ゆか)
損害保険会社での勤務を経て、2014年にパーソルキャリア株式会社へ入社。キャリアアドバイザーとして、一貫して個人の転職活動をサポート。入社後、金融業界の方の転職支援から始め、その後、金融業界以外のさまざまな業界の企画職、経営・業務コンサルタント職の個人を担当。現在は、ハイキャリア支援統括部で、40~50代の管理職を中心としたハイクラス転職支援に従事。カウンセリングからその後の選考活動のサポートを通じ、「転職者自身が納得感ある選択ができること」を大切にしている。
■転職サービス「doda」について< https://doda.jp/ >
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