~ 子育てに経済不安8割 「学費・生活費への負担」でブレーキ ~
転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研(※1)』は、292人の社会人男女を対象に「2024年 日本経済の意識調査~少子化編~」を実施しました。同調査は子を持つことへの希望有無や現収入での出産・子育て意識とその年収別割合、また子育て時の経済不安の有無とその背景、現収入で学費を払う自信及び子育てに必要な最低限の収入、さらに景気が及ぼす少子化への影響とその内容、そして今後の少子化への影響と対策などを調査しました。
【少子化と経済の関係】
日本の新総裁に石破茂氏が就任し、結婚や出産の支援にも重点を置く姿勢を見せ、経済と少子化の関係性についても見解を述べています。このように少子化対策に対する国民の注目度が上がっている状況で、実際にはたらく社会人は経済と少子化に対してどのような意識を持っているのでしょうか。
そこでJob総研では292人の社会人男女を対象に、子を持つことへの希望有無や現収入での出産・子育て意識とその年収別割合、また子育て時の経済不安の有無とその背景、現収入で学費を払う自信及び子育てに必要な最低限の収入、さらに景気が及ぼす少子化への影響とその内容、そして今後の少子化への影響と対策などを調査した「2024年 日本経済の意識調査~少子化編~」を実施しました。
【調査概要】
調査対象者 :現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2024年9月4日~9月9日
有効回答人数:292人
調査方法 :インターネット調査
【TOPICS】
・全体の65.4%が「将来子どもを考えている」 年収別では800万円以上の希望者が最多
・全体の56.9%が現収入で「出産・子育てを考えられる」 年収別では800万円以上が最多
・全体の85.6%が子どもを持つ場合「経済不安あり」 不安上位は「学費・教育費」「家族の生活費」
・全体の95.9%が経済・景気は「少子化に影響」 影響の背景には「上がらない収入」が最も関係
・子1人育てるための最低限の収入額は平均831.7万円 少子化対策には「学費の補助」「賃上げ」が必要
【子を持つことへの希望有無と年収別集計】
回答者全体の292人に将来子どもを持つことを考えているかを聞くと、「考えている派」が65.4%で過半数を占め、内訳は「とても考えている」16.8%、「考えている」24.7%、「どちらかといえば考えている」23.9%でした。「将来子どもを考えている派」の年収別回答では、800万円以上が80.4%で最多となり、次いで600万円~800万円未満が80.0%、400~600万円未満が69.3%、200万円~400万円未満が52.4%、200万円未満が44.8%の結果になりました。
【現収入での出産・子育て】
回答者全体の292人に現収入で出産・子育てを考えられるかを聞くと、「考えられる派」が56.9%で過半数を占め、内訳は「とても考えられる」9.9%、「考えられる」19.9%、「どちらかといえば考えられる」27.1%でした。現収入で出産・子育てを「考えられる派」の年収別回答では、800万円以上が91.1%で最多となり、次いで600万円~800万円未満が76.0%、400~600万円未満が57.3%、200万円~400万円未満が37.7%、200万円未満が22.5%の結果になりました。
【子を持つ場合の経済不安】
回答者全体の292人に子を持つ場合の経済不安の有無を聞くと、「不安がある派」が85.6%で大多数を占め、内訳は「とても不安がある」35.6%、「不安がある」25.0%、「どちらかといえば不安がある」25.0%でした。同回答者に不安に関係している項目を聞くと、上位3つは「学費・教育費」が84.6%で最多、次いで「家族の生活費」が58.9%、「物価の変動」が52.1%となりました。
※更に詳細な集計データは別紙「2024年 日本経済の意識調査~少子化編~報告書」をご参照ください(※2)
【学費を払える自信と子育てに必要な最低限の収入】
回答者全体の292人に現収入で学費・教育費を払える自信を聞くと、「自信はない派」が64.1%で過半数を占め、内訳は「全く自信はない」27.1%、「自信はない」16.1%、「どちらかといえば自信はない」20.9%でした。同回答者に1人あたりの子育てに必要だと思う最低限の収入額を聞くと、平均が831.7万円、中央値が525万円、最頻値が525万円となりました。
【経済・景気の少子化への影響】
回答者全体の292人に経済・景気は少子化へ影響しているかを聞くと、「影響していると思う派」が95.9%で大多数を占め、内訳は「とても影響していると思う」52.1%、「影響していると思う」31.8%、「どちらかといえば影響していると思う」12.0%でした。同回答者に影響の背景を聞くと、上位3つは「収入が上がらないこと」が52.7%で最多、次いで「消費税や所得税増税」が50.0%、「十分な学費・教育費の確保」が48.6%となりました。
【今後の少子化への影響と対策】
回答者全体の292人に今後少子化はどのようなことに影響していくかを聞くと、上位3つは「労働力・人材不足」が81.1%で最多、次いで「年金制度の維持」が71.9%、「経済成長の停滞」が64.9%となりました。同回答者に少子化対策に必要だと思う支援を聞くと、上位3つは「学費の補助」が60.0%で最多、次いで「現役世代の賃上げ」が57.3%、「子育て世帯向けの減税」が54.1%となりました。
※更に詳細な集計データは別紙「2024年 日本経済の意識調査~少子化編~報告書」をご参照ください(※2)
【回答者自由記述コメント】
現在の経済不安から子育てや出産には積極的になれない状況が読み取れるコメントも多く集まりました
※その他、少子化と経済に関するコメントは下記「JobQ Town」にて確認いただけます。
https://job-q.me/28560
・子育てにはお金が必要。責任をもって育てるのに金銭的に余裕がないのは子どもが可哀想だ
・社会保障費や税金が増えたので、生活費やローンの他に今後の学費のことを考えると2人目は考えられない
・生活費など含め子供の教育に力を入れながら払えていけるかが不安となり、子供を産むには少し勇気がいる
・今の状態から考えると自分の生活のことで余裕が無いので、子ども・結婚相手のことなど考える余裕が無い
・お金をかけないと十分な教育を受けさせてあげられない。すると子が成長した後に困って負の連鎖に陥る
【調査まとめ】
今回実施した「2024年 日本経済の意識調査~少子化編~」では、全体の7割が「将来子どもを考えている」と回答し、年収別回答では、800万円以上の「考えている派」が最多の結果になりました。また、全体の6割が「現収入で出産・子育てを考えられる」と回答し、年収別回答では800万円以上の「考えられる派」が最多の結果になりました。しかし、全体の8割が「子を持つ場合経済不安がある」と回答し、特に不安に関係している項目としては「学費・教育費」や「家族の生活費」が挙げられています。そこで、現収入で学費・教育費を払える自信を聞くと、全体の6割が「自信はない」と回答しており、子育てにおける経済不安には「学費・教育費」が大きく影響していることが明白な結果となりました。学費や生活費への不安がある中、1人あたりの子育てに必要だと思う最低限の収入額は平均831.7万円と、年収別の「出産・子育てを考えられる派」の最多額と同等の水準となりました。
また、全体の約10割が経済・景気は「少子化に影響している」と回答し、影響していると思う背景には「収入が上がらないこと」や「消費税や所得税増税」、「学費・教育費が十分に確保できないこと」が上位回答として挙げられており、僅差で「食費の値上がり」や「社会保障費の負担額増加」も挙げられています。
実生活の負担が顕著な中、今後少子化は「労働力・人材不足」や「年金制度の維持」、「経済成長の停滞」など、社会的な影響に発展していくとの意見が挙がる結果となりました。少子化をさらに進行させないための対策としては、特に「学費の補助」、そして「子育て世帯/現役世代向けの賃上げ・減税・社会保障負担軽減」が求められています。
少子化対策はこれまで内閣の政策に含まれており、石破新総裁も注力の姿勢を見せる項目の一つであることから、改めて国民からの注目が集まっています。大多数の人が経済不安を抱えるも、年収800万円以上の社会人は子育てに積極的な姿勢を見せています。しかし現場からは、生活費・教育費の負担軽減のほかにも、現役世代・子育て世帯をピンポイントにした経済支援が求められる声が挙がっています。年収問わず経済負担を感じている状況や子育てには800万円以上を必要としている状況からも、国民全体の”教・食・住”の負担を減らすことが「脱・少子化」への道である可能性が見える調査結果となりました。
「明日の常識を、ココから。」をコンセプトとする『Job総研』では、世の中で当たり前とされている事を疑い、はたらき方に関連する様々な調査を実施してまいります。そしてリアルで透明度の高い情報を発信することで、個が活躍する社会の実現に向けて貢献してまいります。
■(※2) 2024年 日本経済の意識調査~少子化編~報告書
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます
https://job-q.me/articles/15610
※「2024年 日本経済の意識調査~賃金・物価編~」は10月3日(木)9:30に公開いたしました
■(※1)Job総研について< https://job-q.me/categories/job-souken >
『Job総研』は今後もキャリアやはたらくに関する調査を続けるだけでなく、調査で拾いきれない「社会・企業・個人」3つの観点からの声を収集することで、これまで以上に確立した取組を行ってまいります。その手段として、アンケート調査によって明らかにした事実をもとに、はたらく現場でのリアルな疑問を収集し、それに対する個人の回答も収集します。そして世の中で当たり前とされている事を疑い、明日の常識をココから見つけられるコンテンツとしての情報発信をしてまいります。
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■JobQ Town”給与・賃金”に関するQ&A
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