『カムカムエヴリバディ』『らんまん』など過去3年分の朝ドラ視聴データも公開!新作『おむすび』の初回放送分析も


ロスの声続く「虎に翼」を注視データで振り返るイメージ画像

ご家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンへの「アテンション(注視)」を測るREVISIO株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 郡谷康士、以下REVISIO)は、2024年4月~9月に放送されたNHKドラマ『虎に翼』を、注視データで分析しました。なお、「注目度が高い」とは、テレビの前の視聴者が画面にくぎづけになっている度合が高かった様子を表します。また、本記事内で扱うデータは視聴率も含めすべてREVISIOの独自調査によるものです。


『虎に翼』は注目度・視聴率ともに過去5作品と比較して高い傾向


NHK朝ドラ直近6作品の注目度・視聴率表画像


まずは、『虎に翼』を含む過去3年分の朝ドラをREVISIOの視聴データで振り返りましょう。
『虎に翼』は今回調査した8つの注目度属性のうち、7つの属性で1位か2位にランクイン。世帯視聴率も2021年のカムカムエヴリバディ以来の平均10%を超えるという結果になりました。
2021年といえば、まだコロナ禍で外出自粛の傾向が強かった頃です。テレビの視聴率そのものが高くなった時期であることを考慮すれば、『虎に翼』の平均視聴率は直近の作品においてかなり高い数値であったことがわかります。

ちなみに、今回の調査対象6作品において、個人全体注目度で最も高い数値を獲得したのは『らんまん』でした。神木隆之介さん主演、ヒロインに浜辺美波さんという若手実力派コンビの演技に加え、幕末から明治、さらに激動の大正・昭和へとめまぐるしく変わる時代設定と二人の波乱万丈な人生に「くぎづけ」となった視聴者が多かったのでしょう。

また、福原遥さん主演の『舞いあがれ!』は、個人全体注目度や世帯視聴率では奮わなかったものの「男性中年層(40~59歳)」と「女性若年層(13~24歳)」の属性で1位を獲得しているのが特徴的です。物語の舞台は1990年~現代で、等身大のヒロインを演じた福原さんに同世代が共感しやすかったのではないでしょうか。また、男性40-59歳という年齢層は、まさに福原さんの親世代。ドラマの中で奮闘する福原さんと自分の娘を重ね合わせて、見守るような気持ちで画面にくぎづけになったのかもしれません。幼少期の福原さんを「まいんちゃん」(Eテレの子ども向け番組の役柄)として親子で見ていた世代とも一部重なりそうですね。子役の頃から活躍していた福原さんならではの結果とも考えられます。


朝ドラとしては異例 男性若年層&管理職/経営者層をくぎづけに
さて、改めて『虎に翼』のデータを見てみると「男性若年層(13~24歳)」「企業管理職/会社経営者」の注目度の高さが目立ちます。これは、憲法14条「法の下の平等」をテーマに様々な社会問題に切り込んでいく「朝ドラらしからぬ」骨太の展開が大きく影響しているでしょう。ヒロインの成長を基軸に描かれている点はこれまでと変わりませんが、女性蔑視、同性愛、朝鮮人差別、戦争責任、原爆裁判といったシリアスな内容が扱われ、朝ドラというより社会派ドラマのような印象でした。これまで朝ドラの視聴習慣が無かった層も数多く惹きつけたと思われます。


『虎に翼』属性別注目度表画像

朝ドラの放映時間(本分析は8:00~8:15の放送回のみが集計の対象)を考えると、男性若年層(13-24歳)の中でリアルタイムに番組を見ることができたのは主に大学生~社会人になりたての20代前半でしょう。寅子が必死に社会で認められようともがき苦しむ姿に自分を重ね合わせた視聴者も多かったはずです。登場人物が抱える悩みや直面する困難は、女性に限らず社会人なら誰もが共感できるものが多く、結果、男性若年層においては2位のカムカムエヴリバディに8%もの差をつけて断トツ1位の注目度を獲得するに至ったのではないでしょうか。
また、企業管理職/会社経営者の層においては、社会における女性活躍を推進していく立場としての視点で物語を見ていたのかもしれません。寅子の上司は桂場(松山ケンイチさん)、久藤(沢村一樹さん)、多岐川(滝藤賢一さん)など寅子にとって心強い存在ではありましたが、番組の最終週で改めて桂場が「私は今でもご婦人が法律を学ぶことも職にすることも反対だ」と話すなど、手放しで寅子を応援するだけの存在ではありませんでした。桂場のポジション(最高裁長官)ならではの苦悩もさまざま描かれており、管理職や経営者といったいわゆる「エグゼクティブ層」にもドラマの展開を自分事化させる演出だったと思われます。
いずれにしても、「朝ドラ=女性向け」といったイメージを覆すドラマであったことがデータからも証明される結果となりました。放送時間帯を考えても、これまで朝ドラは女性ウケを狙って制作することが定石かと思われていましたが、テーマ選定によっては男性視聴者も取り込めるということが視聴データから明らかになりました。


橋本環奈さん主演『おむすび』は初回視聴率で『虎に翼』を上回る
『虎に翼』終了後、余韻に浸る間もなくスタートしたのは、橋本環奈さん主演の『おむすび』です。制作統括の宇佐川隆史さんは”朝ドラファン”を公言。初回で主人公・米田結が海に飛び込み「うちは朝ドラヒロインか!」と自身に突っ込むなど、早速「朝ドラらしさ全開」のストーリーです。『虎に翼』とのギャップが大きいかと思われますが、SNSでは「初回で水落ちキター!」「いきなり朝ドラあるあるw」と朝ドラファンから歓喜の声(?)も。

舞台は自然豊かな福岡県糸島。平成生まれの主人公が、ギャル軍団や野球青年など周囲の個性的な面々に翻弄されながら管理栄養士を目指すというストーリーは、やはり朝ドラらしい女性の成長物語のように見えます。しかし第一週では結たち家族が阪神淡路大震災で被災したらしき様子が描かれるなど、今後の展開はまだまだ予測できません。本作の脚本家・根本ノンジさんは、過去にフジテレビで放送されたドラマ「監察医 朝顔」でも東日本大震災を描いています。今作でも震災と向き合っていく社会や人々をどう描くのか、注目です。

『おむすび』第1回放送注目度毎分グラフ画像

『おむすび』の初回放送注目度は64.3%。『虎に翼』の67.9%は下回ったものの、世帯視聴率においては『虎に翼』を0.9%上回りました。ちなみに、最も注目度が高かったのは8時11分で、前述の「ヒロインの水落ち」シーンでした!朝ドラファンの心を掴む要素を多数盛り込んで、今後の注目度も上昇していくのでしょうか?半年間、目が離せません!


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■今回分析に利用した指標について

注目度説明画像

※注目度とは?
テレビの前にいる人(滞在者)のうち、テレビ画面に視線を向けていた人(注視者)の割合を表します。シーンに注目している度合いがわかります。


<本件に関する問い合わせ先>
REVISIO株式会社 広報担当 安武
東京都千代田区大手町1丁目6番1号大手町ビル
E-mail info@revisio.com
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