ユニセフ、即時停戦を強く求める


路上で家族と立ち止まる、北部ガザの女の子(ガザ、2024年10月10日撮影) (C) UNICEF Video_2024_UNI659958

【2024年10月10日 アンマン(ヨルダン)発】
ユニセフ・中東・北アフリカ地域事務所代表のアデル・ホドルは、ガザ北部に新たに出された避難命令を受け、次の声明を発表しました。

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北ガザ県とガザ県に突然出された避難命令は、再び、何万人もの既に脆弱な状況に置かれている人々を追い立てています。非常に憂慮すべきものです。子どもたちを抱える多くの人々は、再び、すでに超過密で衛生状態も治安も悪く、命をつなぐために必要な生活必需品も不足している南部の地域への移動を強いられています。
保育器で命をつないでいる未熟児や集中治療室の子どもたちも例外ではありません。ガザ北部への支援物資の搬入制限や容赦ない爆撃が続く中、これまで繰り返されてきた、残酷で受け入れがたい事態が再び起きているのです。ガザの子どもたちは、想像を絶する苦しみや、恐怖、そして死の淵に、何度も何度も直面させられています。


ガザ北部で唯一小児科病棟を持つカマル・アドワン病院を含む3つの主要病院が、避難命令の影響を受けています。パレスチナ保健省によると、18人の子どもを含む重病の患者たちの命が危険にさらされています。



避難のためカマル・アドワン病院からガザ市Patient Friends病院へ搬送された新生児(ガザ、2024年10月10日撮影) (C) UNICEF_UNI659921_Fayez

ガザ北部での軍事行動が激化し、絶え間ない危険と混乱が続く中、子どもたちは命を落とし、傷を負い、拘束され、あるいは親や養育者と引き離されるなど、極めて大きなリスクにさらされています。障がいや疾病などで脆弱な状態にある子どもたちは特に悲惨な状況に置かれ、さらに大きなリスクにさらされています。こうした状況の中での避難は、もとより難しいだけでなく、命のリスクをともないます。(今、ガザ地区には)安全な場所など、まったくない、あるいはあったとしてもほんの少ししかないのです。
ガザ北部では、燃料はじめ基本的な物資の搬入が数週間前から許されておらず、子どもたちの命は、さらに危険にさらされています。

北部ジャバリアの人々が退去を命じられるのは、この1年で4度目。多くの人々は、避難先でも安全な場所を見つけられず、元の場所に戻っています。軍事攻撃のたびに繰り返し避難を余儀なくされる「終わりが見えない状況」は、わずかに残された安全と安定を子どもたちから奪うものです。ガザの子どもたちは、身体的にも心理的にも生涯残る深刻な影響を受けるリスクに直面しています。



荷物を抱え移動するガザ北部ジャバリアの人々(ガザ、2024年10月10日撮影) (C) UNICEF Video/2024/UNI659958

ユニセフをはじめとする人道支援機関は、この苦しみをなんとか食い止めようと全力を尽くしていますが、終わりなき「死と避難と絶望の連鎖」に苦闘しています。今こそ、紛争当事者たちに、さらなる苦しみを防ぐために、そして子どもたちの命を守るために、即時停戦に合意するよう強く求めます。停戦が実現しなければ、子どもたちの生存が脅かされるだけでなく、私たち自身に残された人間性も危機にさらされることになります。

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■ ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」 ご協力のお願い
ガザ地区をはじめパレスチナで戦闘の影響を受ける子どもたちを支援するため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」を受け付けています。詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/gaza/ 

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます


■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(https://www.unicef.or.jp
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