「知って、肝炎プロジェクト」は、2012年より、肝炎に関する知識や肝炎ウイルス検査の必要性を分かりやすく伝え、あらゆる国民が肝炎に対する正しい知識を持ち、早期発見・早期治療に向けて自ら積極的に行動していくことを目的として活動しています。
 また、肝炎ウイルスの感染予防、ウイルス感染の早期発見・早期治療を進めるためには、健康の大切さについての意識向上が必要であることから、健康全般についての 意識向上を図るため、「健康一番プロジェクト」を展開しています。
 この度、9月10日(火)にプロジェクトの一環として、肝炎の話、そして若者を中心に感染が拡大している「梅毒」などの性感染症について、香川県内の大学生と性感染症の対策を広く啓発していくにはどうすればよいかについて、「PR方法」と「キャッチコピーを決める」の2つのテーマでディスカッションをしました。



【イベントレポート】
「肝炎も梅毒もすべての年代に対して早期発見・早期治療の推進が必要」
 香川県中讃保健所の医師 香西 勝平(こうざい しょうへい)氏は、冒頭で肝炎の説明をしました。
 実際に香川県で起きた事例として、70歳代の男性が肝炎と診断されてから約2年で死亡したという事例を紹介し、ウイルス性肝炎から肝臓がんになるプロセスの話をしました。「香川県は全国と比較しても検査数がワースト4位と検査率が低くなっています。早期発見・早期治療の為にも、無料で受けられる肝炎ウイルス検査を受けてください」と学生に語りました。
 次に梅毒の説明では感染者の傾向を話しました。「令和5年の実績からみると、男性の傾向としては20代から50代に幅広く発生し、最も多いのは30代。女性の傾向としては20代から30代が多く、最も多いのは20代になる」と話しました。性別に限らず言えることは、「昔と違って性風俗従事歴もしくは利用歴“なし”の感染が増えている」ということです。このことから「性行動のあるすべての年代に対して早期発見・早期治療の推進が必要」と訴えました。

■「1次予防、2次予防、3次予防ってみなさん聞いたことありますか?」
 香西氏は、「風俗が一番真っ先に頭に浮かぶ人も多いと思いますが、そうではない場合も多い。特に女性は関係ない人の方が多い。今はSNSでの交流、マッチングアプリも多くありますので、若い世代を中心に広がっているのは、不特定多数の人と出会える機会が昔よりも増えているということが1つの原因と考えている」と説明されました。

■「梅毒はどこでもらってきたのか。風俗ではない場合も多い」
 香西氏は、ディスカッションに入る前に学生に向けてヒントとなると話をしました。
「1次予防はそもそも感染しないようにすること。2次予防はかかってしまった後、早く治療すること。3次予防はまたかからないようにすること。梅毒は一度治療して治っても、免疫ができることはないので何度もかかる可能性があります。こういった視点で分けて考えると、考えやすくなるかもしれません」と伝えました。



■「香川県では無料かつ匿名で検査を受けられる場所があります」
 香西氏は、「県の保健所では、無料かつ匿名で検査を受けられるが、まだ知られてない場合も多い。
今日皆さんに力を貸してもらいたいのは、どのような媒体をどう使って、どのように検査を受ける人を増やすか、アドバイスをください」と話しました。

■「ディスカッションの際の様々な意見」
<性感染症になる原因>
・誤った知識の理解
・パパ活
・出会い系アプリ
・自分の健康に興味がない
・他人事
・命に関わる病気だと思っていない
・訪日外国人の増加
・SNSのDMなどで誰とでも繋がることができる

<PR方法>
・コンビニでPR
・学校の授業で取り入れる
・アプリ、インスタの広告に入れる
・若者に人気のインフルエンサーの活用
・学校のイベントでブースを設ける
・実際にAIDSの芸能人がリアルを発信
・TIKTOKで検査の流れを動画で説明
・有名なアーティストとコラボグッズを作る
 →売り上げは、啓発活動に使う
・若者に人気の芸能人を活用して、映画を作る
・実際の症状のイラストを作成して、
 病気の怖さを知ってもらう
・検査を受けた人に何かプレゼントを渡す
・検査を受けるメリットをもっと伝えるべき

<キャッチコピー>
・次はあなたかも
・大丈夫。一人じゃないから
・隙間時間で、検査してみない?
・私もあなたも誰かの大切な人
・無料で安心をつかみ取ろう!匿名可










■学生代表 島田さん 「若い人が中心となって考えて、発信していくことが必要」
 学生を代表して島田さんは、「病気の啓発活動などは、出張講座や授業でもあったりする。
ただ性感染症については中々ないことなので、若い人たちが中心となって考えることが重要であると思った。そして多く活用されているSNSやアプリで発信したり、性感染症に関わる映画を作ったりすることで、若い人たちが興味を持つと思うので効果的だと思う」と話をしました。

■香川沙耶氏 「自分と向き合うことを大切にしてほしい」
 香川氏は、「専門の人から正しい知識を聞く機会が若い時から増えてほしい。そしてその場で意見交換ができる環境が増えると、自分事として捉えられるようになるのではないか」と話をしました。
 また「自分を愛して、自分と向き合うことを大切にしてほしい」「学生の皆様は発信力があるので、どんどん周りの人に伝えてほしい」と訴えました。

■Maasa 氏「アメリカは性感染症に関するコミュニケーションが活発だが、日本では偏見が大きいのでコミュニケーションができない」
 米国を拠点に活動しているダンサーのMaasa氏は、アメリカと日本の違いについて「日本では偏見が大きいので、恥ずかしい、相談ができない、ということが当たり前になっていて、知識も共有できる環境が少ない」と話をしました。
 「健康一番プロジェクト」のサポーターとして思うことは、実際に性感染症、AIDSになった人に話をしてもらうことで、リアルな情報が発信されるべきだと思う。そして今日学生の皆さんと話し合い、出たアイデアを形にしていくことが使命だと思っている」と語りました。

■参加した学生へのアンケート(一部抜粋)



■開催概要
■日時   :2024年9月10日(火)
■催事名 :肝炎・性感染症啓発ディスカッション in 香川大学
■開催場所 :香川大学三木町医学部キャンパス 講義実習棟
■出席者  :モデル 香川沙耶 氏
      「健康一番プロジェクト」サポーター Maasa 氏
      香川県中讃保健所 医師 香西 勝平氏
      香川県内の大学生10名
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