ビジネス・社会科学・人文の知を集めた単行本レーベル「集英社シリーズ・コモン」の最新作、『家父長制の起源 男たちはいかにして支配者になったのか』(アンジェラ・サイニー 著/道本美穂 訳)が、集英社より10月25日(金)に発売されます。

アンジェラ・サイニー 著/道本美穂 訳『家父長制の起源』集英社(photo: gregobagel/ Getty Images)

今年放送されたNHKの朝ドラ『虎に翼』でも注目を集めた「家父長制」。
(特に年長の)男性が女性を支配するこの体制は、決して日本だけで見られる現象ではありません。
世界の多くの地域で、男性は社会的地位を独占しています。

この「家父長制」は、果たして人類誕生の時から続く必然的なものなのでしょうか?
生物学的に「男性は女性よりも強くて賢い」から、仕方が無いのでしょうか。
そもそもなぜ、男たちはこれほどまでに偉そうなのでしょうか。

こうした根本的な疑問に答えるべく、著者は最新の科学、考古学、人類学などの成果をもとに、歴史をひもとき、世界各地を訪ねながら、さまざまな「家父長制ではない社会」を掘り下げていきます。
徹底的な取材によって、私たちの思い込みは次々とくつがえされていきます。
そして一連の考察の結果、見えてきたものとは……。
「女性抑圧」の真の根源を探りながら、未来の変革と希望へと読者を誘うスリリングな一冊です。

アンジェラ・サイニー氏(Photo: Henrietta Garden)

【推薦】

各界から絶賛の声、多数!

家父長制は普遍でも不変でもない。
歴史のなかに起源のあるものには、必ず終わりがある。
先史時代から現代まで、最新の知見にもとづいた挑戦の書。
――上野千鶴子氏(社会学者)

男と女の「当たり前」を疑うことから始まった太古への旅。
あなたの思い込みは根底からくつがえる。
――斎藤美奈子氏(文芸評論家)

人類史を支配ありきで語るのはもうやめよう。
歴史的想像力としての女性解放。
――栗原康氏(政治学者)

家父長制といえば、‟行き詰まり”か‟解放”かという大きな物語で語られがちだ。
しかし、本書は極論に流されることなく、多様な" 抵抗" のありかたを
丹念に見ていく誠実な態度で貫かれている。
――小川公代氏(英文学者)

◆世界中で話題沸騰!

WATERSTONES BOOK OF THE YEAR 2023 政治部門受賞作
2023年度オーウェル賞最終候補作

明晰な知性によって、家父長制の概念と歴史を解き明かした、
息をのむほど印象的で刺激的な本だ。
――フィナンシャル・タイムズ

希望に満ちた本である。なぜかといえば、より平等な社会が可能であることを示し、
実際に平等な社会が繁栄していることを教えてくれるからだ。
歴史的にも、現在でも、そしてあらゆる場所で。
他の文化の視点から物事を見ることで、私たちの生き方がまったく異なる光の中で
明らかにされるのだ。
――ガーディアン

サイニーは、この議論にきらめく知性を持ち込んでいる。
興味深い情報のかけらを掘り起こし、それらを単純化しすぎずに、
大きな全体像にまとめ上げるのが非常にうまい。
――オブザーバー

【目次】
はじめに
第一章 支配
第二章 例外
第三章 起源
第四章 破壊
第五章 制限
第六章 疎外
第七章 革命
第八章 変化
おわりに
謝辞
解説 家父長制は永遠ではない 上野千鶴子
引用・参考文献

【著者略歴】アンジェラ・サイニー
科学ジャーナリスト。オックスフォード大学で工学、キングス・カレッジ・ロンドンで科学と安全保障の修士号をそれぞれ取得。オックスフォード大学・キーブルカレッジ名誉フェロー。マサチューセッツ工科大学院非常勤講師。BBCやガーディアンなど欧米の主要メディアに多数登場。主な著書に『科学の女性差別とたたかう──脳科学から人類の進化史まで』『科学の人種差別とたたかう──人種概念の起源から最新のゲノム科学まで』(いずれも作品社)など。

【解説者略歴】上野千鶴子(うえの・ちづこ)
社会学者。京都大学大学院社会学博士課程修了。社会学博士。東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。著書に『家父長制と資本制』『近代家族の成立と終焉 新版』(いずれも岩波現代文庫)、『女ぎらい ニッポンのミソジニー』(朝日文庫)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『情報生産者になる』(ちくま新書)など多数。

【訳者略歴】道本美穂(みちもと・みほ)
英語翻訳者。東京大学文学部社会学科卒業。大手通信会社勤務を経て独立。主な訳書に『失われた報道の自由』(日経BP)、『地獄への潜入 白人至上主義者たちのダーク・ウェブカルチャー』(柏書房)『トマトの歴史』(原書房)、共訳書に『告発──フェイスブックを揺るがした巨大スキャンダル』(ハーパーコリンズ・ ジャパン)など。

【書誌情報】
▪書名:『家父長制の起源 男たちはいかにして支配者になったのか』
▪著者:アンジェラ・サイニー/解説:上野千鶴子/訳者:道本美穂
▪発売日:2024年10月25日(金)
▪定価:2,530円(10%税込)
▪判型・ページ数:四六判 416ページ
▪ISBN:978-4-08-737006-5
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-737006-5
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