音や視覚に過敏な子どもたちのために環境を整備し、過敏さを我慢することなく、心地よく安心して過ごせる居場所にリニューアル。感覚過敏の配慮を最優先に扱うフリースクールは、全国的にも珍しい取り組みです。


おだやかにわたしらしくいられる場所 ゆらり庵 外観
特定非営利活動法人Reframe(本社:京都府京都市中京区、代表:朝倉美保)が運営する不登校の居場所(フリースクール)「おだやかにわたしらしくいられる場所 ゆらり庵」。
音や視覚に過敏な子どもたちのために環境を整備し、過敏さを我慢することなく、心地よく安心して過ごせる居場所にリニューアルしました。感覚過敏の配慮を最優先に扱うフリースクールは、全国的にも珍しい取り組みです。




アートや裁縫をしている子どもたちの様子
感覚過敏を抱える子どもたち感覚過敏を持つ(HSP, Highly Sensitive Person)は一般人口の15%程度いるにもかかわらず、京都市内の学校や公共施設、さらには既存のフリースクールの多くは、彼らが感じる「音」などの感覚に対する配慮が不足しています。その結果、感覚過敏を持つ子どもたちが安心して学ぶことができる場所は限られてしまい、不登校や社会的な孤立に直面するケースが見受けられます。






音や視覚に過敏な子どもたちへの配慮
『ゆらり庵』は、音や視覚に敏感な子どもたちが快適に過ごせるよう、徹底した配慮をしています。
話し声の音量は60デシベル以下、電子機器の音はイヤホンで完全にシャットアウト。子どもたちが自分の居場所と感じられる静かな環境が整っています。
視覚的な刺激もまた、学校生活を困難にする要因のひとつです。学校では、壁一面に貼られた掲示物や、真っ白な壁・棚が、視覚に過剰な刺激を与えます。「ゆらり庵」では、壁面への「はり紙ゼロ」を実現したり、物をできるだけ置かないリラックスルームを用意したりと、視覚の過敏にも配慮した空間を提供しています。
通っている生徒たちも、そのルールに協力しています。結果として、「学校だけでなく、フリースクールにも通うことができなかった」という子どもが「ここなら通える」と感じ、家にこもっていた状態から他者と交流しながら学ぶことができるようになっています。
過敏への配慮を目的とした少人数制
『ゆらり庵』は定員8名の少人数制で、音や視覚、さらには人口密度に対する配慮もされています。
子どもが疲れたときは一人で過ごせるスペースが確保されています。
大部屋と小部屋が適切に配置されており、必要に応じてリラックスできる環境が整っています。

1階の小部屋。

1階のメインルーム

2階のメインルーム

2階のリラックスルーム


玄関から入った部屋。カバン置き場がある。

ボランティアさんが描いてくれた見取り図

リニューアルで、より自由に過ごせる環境に
2024年8月のリニューアルでは、「カリキュラム制」が撤廃され、より柔軟性を持ったフリースクールになりました。

「過敏があるとどうしても疲れやすいので、自分のタイミングで休んだり、一人の時間を持ったりしたい」
というニーズに応じられただけでなく、
「3Dモデリングの勉強など、自主的に学びたいことがあったので、もっと積極的に活動できるようになった」
というフィードバックも寄せられています。
『ゆらり庵』は、本やゲーム機を持ち込んでのんびり過ごすこともできますが、活動の範囲は、単に読者・ユーザーとして楽しむだけには留まりません。
音楽制作や美術活動、動画編集、3Dモデリング、ゲーム作り、プログラミングなど、クリエイティブな立場からの活動をサポートできるスタッフもいます。
静かで落ち着いた空間で、子どもたちが自分のペースで興味を深め、学びを進められる環境が整っています。
ボードゲームで学びと遊びの融合を実践
『ゆらり庵』では、感覚過敏の子どもたちが無理なく楽しめるよう、他のフリースクールでよく見られる「コミュニケーションゲーム」ではなく、競技性や頭脳戦を軸にした「システム重視のボードゲーム」を取り入れています。
感覚過敏の子どもたちが無理なく遊べるように、流行や知名度で選ぶのではなく、試行錯誤してゲームを選んでいます。

生徒とスタッフが共にゲームを楽しみ、論理的思考力や問題解決能力を養う「ボードゲーム部」の活動も、『ゆらり庵』の魅力のひとつです。

子どもの声
「ボードゲームのおかげで人と話せるようになりました」(小学生・女子)
「ゆらり庵」での食べ物に関する柔軟な対応


食べ物への過敏さも、学校生活を困難にする要因です。アレルギーではないながらも、特定の食材(乳製品、卵、油など)を食べると体調を崩す子どももいます。しかし、学校ではアレルギーの診断がなければ配慮が難しいことがあります。

ゆらり庵では、食べ物に関しては以下の対応をしています。
・自分で食べ物を持ち込みができる
・「料理部」による自主調理活動ができる
・「料理部」以外でもキッチンを使用して、食べたいものを自分で調理できる

これにより、食事のストレスなく、食べたいものを好きに調理して食べられる楽しさにつなげています。




感覚過敏について
感覚過敏とは、聴覚や視覚、触覚、嗅覚などの感覚が過剰に敏感な状態を指し、脳が感覚から得た情報を過大に解釈することで起こると言われています。主に五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)や固定感覚、平衡感覚などの感覚が過剰に反応する場合を感覚過敏と言います。感覚過敏は病名ではなく症状で、気分や体調に大きく左右されます。感覚は目に見えず、他人と比較することができないため、感覚過敏で困っていることが周囲に理解されづらい特徴があります。

感覚過敏は、発達障害のある方に多く見られる特性で、その程度や状態は人によって異なります。自閉症スペクトラム症(ASD)は、人口の約20~40人に1人(2.5~5%)が該当する可能性があると言われており、注意欠如・多動症(ADHD)は、成人でも診断に該当する人の割合は2.5%だと言われています。
また、HSC/HSPとは、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質をもった人」という意味ですが、環境や性格などの後天的なものではなく、先天的な気質、即生まれ持った性質であることがわかっています。統計的には人口の15%~20%。5人に1人があてはまる性質と言われています。
このように、感覚過敏で悩んでいる人は多く存在しており、みんな困りを抱えながらも「我慢」をしながら暮らしています。
本プレスリリースを小学生が作成、AIでサポート
『ゆらり庵』では、感覚過敏を持つ子どもたち自身が、「ゆらり庵の情報を、必要な人に届けたい」と考え広報活動に参加しています。
このプレスリリースはゆらり庵の生徒達が主体となってAIを活用しながら制作しています。
学校連携に加え、今後は地域社会との連携を
ゆらり庵は、学校と連携しています。月1回の報告書を提出することで、出席認定してもらえています。必要に応じて、担任の先生と電話での情報交換もしていますが、今は、悩んでいる子どもや家庭に直接情報を届けることができない段階にいます。
今後は、地域メディアや児童精神科、支援団体とも連携して、感覚過敏や不登校に悩む子どもたちへの理解を広める活動ができることを望んでいます。これにより、地域社会全体で感覚過敏を持つ子どもたちへのサポートを強化することを目指しています。
見学、体験はいつでも可能
ゆらり庵の見学や体験はいつでも可能です。
メール、公式LINEからお問い合わせください。
普段の活動の様子は、Instagramで発信しています。


【施設概要】 
おだやかにわたしらしくいられる場所 ゆらり庵住所:〒604-8485 京都府京都市中京区西ノ京平町26番地
アクセス:J R嵯峨野線 円町駅、市バス 西ノ京円町から徒歩5分
営業時間:10:00~18:00 (早朝からの預かりも可能)
定休日:土日祝日
定員:1日8人までの少人数制
ゆらり庵ホームページ:https://reframe-npo.jp/yurarian/
Instagram: https://www.instagram.com/yurarian.reframe/
公式LINE:https://page.line.me/398ttlrl
メール: info@reframe-npo.jp




特定非営利活動法人Reframe
Reframeは、代表の朝倉美保と副代表の美濃羽真由美が発起人となり結成した非営利団体です。
不登校の居場所づくりだけでなく、こども食堂、体験活動、地域交流、不登校の親の会、研修・講演活動もしています。

本社所在地:〒604-8485 京都府京都市中京区西ノ京平町28番地
代表理事:朝倉美保
事業内容: 子どもと若者の居場所、こども食堂、体験活動、地域交流など
設立: 2021年4月1日(2022年1月26日に法人化)
HP:https://reframe-npo.jp/
電話番号: 070-8533-5941
メール: info@reframe-npo.jp


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