~ 「職場でも政治あり」7割 成果主義に”根回し力”で台頭 ~

 転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研(※1)』は、446人の社会人男女を対象に「2024年 社内政治の実態調査」を実施しました。同調査は、出世意欲の有無と社内政治と出世の関係、社内政治力の定義と職場の実態や働きやすさとの関係、さらに出世に必要な力を年代別・役職別で紐解くとともに、社内政治への賛否と必要性などを調査したものです。




【出世と社内政治の関係】
 国会議員票と党員票で争われた自民党の総裁選において、票数獲得に力を尽くす候補者たちの姿が見受けられました。職場でも同様に、意見や提案を通すためには、いわゆる”社内政治”を行い、協力者を集める必要性が求められるケースもあると考えられます。このような状況で、はたらく現場での社内政治の実態はどのようなものになっているのでしょうか。
 Job総研では446人の社会人男女を対象に、出世意欲の有無と社内政治と出世の関係、社内政治力の定義と職場の実態やはたらきやすさとの関係、さらに出世に必要な力を年代別・役職別で紐解くとともに、社内政治への賛否と必要性などを調査した「2024年 社内政治の実態調査」を実施しました。

【調査概要】
調査対象者 :現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件  :全国/男女/20~50代
調査期間  :2024年10月2日~10月7日
有効回答人数:446人
調査方法  :インターネット調査

【TOPICS】
・全体の57.8%が「出世意欲あり」 全体の96.6%が社内政治と出世は「関係する」
・社内政治力とは「根回しの上手さ」「良好な関係構築ができる」 全体の69.5%が「職場で社内政治あり」
・全体の88.2%が社内政治は「はたらきやすさに関係」 53.4%が出世には「成果を出す力」必要 50代が最多
・全体の58.3%が社内政治には「反対」も 全体の55.2%が社内政治は「必要」
・必要理由は「評価を得やすい・意思決定の早さ」 不要理由は「適切な評価が行われなくなる」が上位




【出世と社内政治の関係】
 回答者全体の446人に出世意欲の有無を聞くと、「意欲がある派」が57.8%で過半数を占め、内訳は「とてもある」9.1%、「ある」15.5%、「どちらかといえばある」33.2%でした。また、社内政治と出世の関係については「関係すると思う派」が96.6%で大多数を占め、内訳は「とても関係すると思う」30.7%、「関係すると思う」38.3%、「どちらかといえば関係すると思う」27.6%でした。





【社内政治の定義と職場の実態】
 回答者全体の446人に社内政治力の定義を聞くと、「根回しが上手い」が57.4%で最多となり、次いで「周囲と良好な関係を築く」が54.9%、「業務や人間関係の把握が上手」が49.6%となりました。職場で社内政治はあるか、という問いに対しては「ある派」が69.5%で過半数を占め、内訳は「とてもある」13.9%、「ある」24.4%、「どちらかといえばある」31.2%でした。




【はたらきやすさとの関係・出世に関係する力】
 回答者全体の446人に社内政治ははたらきやすさに関係するかを聞くと、「関係すると思う派」が88.2%で大多数を占め、内訳は「とても関係すると思う」18.2%、「関係すると思う」36.8%、「どちらかといえば関係すると思う」33.2%でした。出世には「社内政治力」と「成果を出す力」どちらが必要かについては、回答は割れたものの「成果を出す力派」が53.4%で半数を占め、内訳は「断然成果を出す力」16.8%、「成果を出す力」17.5%、「どちらかといえば成果を出す力」19.1%でした。




【年代別・役職別回答】
 「成果を出す力派」の年代別回答を見ると、50代が60.9%で最多となり、次いで30代が52.3%、20代が52.3%、40代が49.9%の結果となりました。役職別では、部長クラス以上が76.9%で最多となり、次いで課長クラスが69.8%、一般社員が54.8%、係長クラスが47.9%、主任クラスが34.8%でした。




【社内政治への賛否・必要性】
 回答者全体の446人に社内政治への賛否を聞くと、「反対派」が58.3%で半数を超え、内訳は「とても反対」12.8%、「反対」17.9%、「どちらかといえば反対」27.6%でした。社内政治の必要性については、「必要だと思う派」が55.2%で過半数を占め、内訳は「とても必要だと思う」6.1%、「必要だと思う」16.4%、「どちらかといえば必要だと思う」32.7%でした。




【社内政治が必要な理由・不要な理由】
 社内政治が必要と回答した246人にその理由を聞くと、「上司から評価を得やすくなる」と「社内の意思決定スピードが上がる」が同率で39.8%となり、次いで「対立を防ぎ仕事が円滑になる」が37.8%でした。不要と回答した200人にその理由を聞くと、「適切な評価が行われなくなる」が63.5%で最多となり、次いで「意識が分散し生産性が下がる」が51.5%、「ストレスや意欲に影響する」が48.0%となりました。



※更に詳細な集計データは別紙「2024年 社内政治の実態調査 報告書」をご参照ください(※2)


【回答者自由記述コメント】
出世に必要なのは「社内政治力」と「成果を上げる力」で意見が分かれるコメントが多く集まりました。
■社内政治力派
・積極的に上司にも絡みに行き、懐に入り込める部下は可愛いがられるし、結果評価されやすくなると思います
・物事を効率よく進めようとすると、それなりの関係性構築、情報共有、事前の根回しは必要になって当然
・成果を上げても上司から嫌われると評価されないため、ある程度の政治力は必要と思います
・成果を得るには成果を出せる椅子に座る必要がある。その椅子を得るのは能力というより人間に依る気がする
・議論に参加せず実力者にすり寄っていた人が、結局気に入られてプロジェクトの成果はその人の手柄になった

■成果を上げる力派
・社内政治は成果をあげるための手段であり、出世したいのであれば、成果をあげるのが重要だと考えます
・大きな組織の場合、成果で見せた方が評価されやすい。成果が出せる人は上からも認めてもらえる人だと思う
・いくら人脈があっても成果が出せなければ、長期目線で見切りをつけられる
・チーム・会社・お客様へ貢献した対価が、昇給や出世に繋がっていくべきだと思います
・皆が納得する実績をあげることが必要。人脈は社会スキルの一つと思うが、第一は実績あっての話だと思う

※その他、社内政治に関するコメントは下記「JobQ Town」にて確認いただけます。
https://job-q.me/28646


【調査まとめ】
 今回実施した「2024年 社内政治の実態調査」では、全体の6割が「出世意欲がある」と回答し、全体の9割以上が社内政治と出世は「関係すると思う」と回答する結果となりました。前提として社内政治力の定義を聞くと「根回し」「周囲との関係構築」「業務や人間関係の把握」の上手さが挙げられました。そこで職場での実態を聞くと、全体の7割が職場で「社内政治はある」と回答しており、この背景には、9割の人が社内政治とはたらきやすさが「関係する」と考えているように、自社ではたらきやすい環境を作るために社内政治を行なっている可能性が示唆されます。社内政治ははたらきやすさに関係する一方で、全体の5割が出世には「社内政治力」よりも「成果を出す力」が必要と回答しています。半数に割れる結果となりましたが、年代別では50代が最も「成果を出す力」が必要と回答、役職別では、部長クラス以上が最多となっています。ここから、50代は成果による出世を肌で感じてきた傾向が見られ、部長以上は全体統括目線を持つが故に成果を上げる力の必要性を唱えていると推察できます。
 一定職場で社内政治は行われている中、全体の約6割が社内政治に「反対」を示しています。しかし、全体の5割強が「社内政治は必要」と回答しており、必要な理由では「評価の得やすさ」といった、はたらく個人目線の意見だけでなく、「社内の意思決定スピード」「対立の回避」など、組織全体目線での意見も挙がりました。不要な理由には「適切な評価が行われなくなること」や、政治に時間やエネルギーを使うことによる「業務の生産性やモチベーションの低下」「ストレスへの影響」が挙がっています。
 本調査から得られた傾向を集約すると、社会人が考える社内政治力とは「社内の状況把握をしながら、根回しを通じて協力者を集めること」だと定義づけられる結果となりました。さらに出世に関係する力では、回答は割れたものの「成果を出す力」が上回り、部長以上になるとより求められる力であることがわかりました。しかしほぼ全ての世代で回答が割れている状況や、社内政治反対派が賛成派を上回るものの必要性は半数に割れていることから、印象と実用性のギャップも見受けられます。これらの結果を踏まえると、出世を望む場合、成果を出しつつ社内政治のメリットを活かすという”バランス力”が重要であることがいえるでしょう。
 「明日の常識を、ココから。」をコンセプトとする『Job総研』では、世の中で当たり前とされている事を疑い、はたらき方に関連する様々な調査を実施してまいります。そしてリアルで透明度の高い情報を発信することで、個が活躍する社会の実現に向けて貢献してまいります。



パーソルキャリア株式会社 はたらく未来図構想統括部
JobQ部 コミュニケーション戦略グループ Job総研 PR担当

高木 理子(たかぎ りこ)
2020年からのインターンを経て2022年に新卒入社。コンテンツマーケティンググループ所属後、2023年に広報へ異動し"はたらく社会人や就活生"を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施するJob総研にて調査研究を担当。Job総研を通して「社会とつながる」を個人のビジョンに掲げ、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することではたらく社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的として活動している。





■(※2) 2024年 社内政治の実態調査 報告書
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます
https://job-q.me/articles/15649

■(※1)Job総研についてhttps://job-q.me/categories/job-souken
『Job総研』は今後もキャリアやはたらくに関する調査を続けるだけでなく、調査で拾いきれない「社会・企業・個人」3つの観点からの声を収集することで、これまで以上に確立した取組を行ってまいります。その手段として、アンケート調査によって明らかにした事実をもとに、はたらく現場でのリアルな疑問を収集し、それに対する個人の回答も収集します。そして世の中で当たり前とされている事を疑い、明日の常識をココから見つけられるコンテンツとしての情報発信をしてまいります。

■JobQ Townについてhttps://job-q.me/
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■JobQ Town”職場”に関するQ&A
https://job-q.me/tags/22101

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 パーソルキャリア株式会社は、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス転職サービス「doda X」を通じて人材紹介、求人広告、新卒採用支援などを提供しています。2022年5月にはプロフェッショナル人材の総合活用支援ブランド「HiPro」を立ち上げ、副業・フリーランス領域にも本格参入。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。
当社のミッションについて:https://www.persol-career.co.jp/mission_value/
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