YouTubeで話題沸騰のバレエ団密着ドキュメンタリーを、ディレクターの視点から書籍化したノンフィクション『崖っぷちの老舗バレエ団に密着取材したらヤバかった』が12月18日、新潮社より刊行します。


※谷桃子バレエ団公式Youtubeより(実際の書影とは異なります)

創立75年を迎えた国内でも随一の老舗、谷桃子バレエ団の公式YouTubeチャンネルに異変が起きたのは、昨年6月のこと。
「禁断密着プロバレエ団」と銘打ったドキュメンタリー動画の配信が始まり、バレエファン界隈に衝撃が走ります。その内容が、プロバレエ団という“夢の世界”に相応しくない、あまりにも生々しく過激なものだったからです。







家賃6万円の都内ワンルームの自宅で「トウシューズを買うのも苦しい」「週5でバイトをしてもカツカツ」と打ち明けた新人バレリーナの告白や、ディレクターに「給料制にできませんか?」という“絶対的タブー″とも言える質問を投げかけられ、「私が生きているうちにできるかどうか……」と本音を吐露する芸術監督
しかし、騒然とするバレエ界を横目に、これらの動画は「バレエを知らない視聴者」にも波及し、ちょっとした“ムーブメント″を起こし始めます。

「こんな世界だとは知らなかった」
「バレエには全く興味がなかったけど、次の舞台を観に行こうと思った」

動画のコメント欄には好意的なコメントが並ぶ一方で、

「苦労する姿を見たら、本番での舞台を楽しめなくなる」
「もっとバレエに詳しい人に撮影させた方が良い」

という心配や批判の意見も寄せられました。
 
その後も、チケット販売に思わぬ苦戦を強いられたり、批判殺到でチャンネル存亡の危機に瀕したり、数々の困難を乗り越えながら、視聴者は増え続けます。密着開始後初めての新春公演『白鳥の湖』には、「バレエを一度も観たことがない」という観客が全国から集まり、会場は今までにない熱気に包まれました。
そして、密着から1年。今年6月の公演のチケットは発売開始後なんと4時間で即完売。これは国内のバレエ公演としては異例の出来事といえます。老舗バレエ団が決死の覚悟で始めた「前代未聞の挑戦」への一つの答えが出た瞬間でもありました。

このチャンネルリニューアルを手掛けたのが、本書の著者で、大阪のキャバクラ嬢に密着する『進撃のノア(登録者80万人)』や、ホスト界の帝王・ローランドを通して歌舞伎町ホストの世界を描く『THE ROLAND SHOW(登録者145万人)』などの動画を制作する会社に所属する渡邊永人氏です。
「ハイパーハードボイルドグルメリポート」「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」等の人気テレビ番組を担当した後、YouTubeに畑を移した新進気鋭のドキュメンタリーディレクター、初の著書となります。

バレエを知っている人も知らない人も、動画を見たことがある人もない人も、誰が読んでも面白いエンタメ度100%のノンフィクション本、ぜひご注目ください。

なお、この本の印税は谷桃子バレエ団に全額寄付されます。

谷桃子バレエ団公式Youtubeはこちら

■著者からのコメント

「人生って思い通りにいかないなぁ…」
そう悩む人に読んでほしい1冊です。

バレエど素人の元テレビディレクターが、
「YouTubeで集客してチケットを完売させてください」と言われたら……

とにかく揉めて揉めて揉めまくります。
思い通りになりません。

途中泣きながらも奮闘する
嘘みたいな本当のノンフィクションです。

願いは2つ。

生きていたら苦しいことが多くて、
「何で自分ばっかり苦しいんだろう」って思います。
同じように考える人が読んで、
「大変なのって自分だけじゃないんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。

もう1つは、
バレエを知らない人がこの本を読んで、
「バレエ公演を観に行ってみようかな」
と思ってもらうことです。

■目次

はじめに

ダウンタウンに憧れ、お笑い芸人を夢見た10代 
超ブラック 地獄のテレビAD生活 
テレビディレクターで年収1000万円 
人生初のYouTube
バレリーナを撮ってください!
バイトが当たり前 全く知らないバレエの世界 
警戒するバレリーナ 密着撮影開始 
ロシアから日本へ 期待の新人 
バレエとお金 プロバレエ界のリアル 
戦争で帰国 ロシア帰りバレリーナの赤裸々告白 
週5バイトのバレリーナ 
バレエ素人、初のバレエ観劇で衝撃の結末 
バレエ監督の告白「友達に勧められません」 
YouTubeでバレエをどう描く?
2分の動画、編集作業は100時間
YouTube配信スタート
批判殺到 
動画は誰かを幸せにしているか?
生きた心地がしませんでした 
最高年収700万円 
バレエ階級トップ プリンシパルになりたいですか?
バレエと子ども、皮肉な話 
「あの子、太った?」バレエとルッキズム 
男でバレエ なぜ?
バレエ団との衝突 チャンネル存亡の危機 
結論
『くるみ割り人形』禁断の舞台裏
バレリーナの涙
前代未聞の挑戦
22歳、週5バイト「私は恵まれてます」
チケットが売れない!
週5バイトから主役へ 世紀の大抜擢 
次元が違う イギリスのトップバレリーナ 
43歳、産後復帰、主役挑戦
激痛 
サムネ変えてください 
人気と実力 チケット完売後の悩み 
ロシアor 日本 人生の岐路
『白鳥の湖』開幕
運命の32回転
終演後、想定外の出来事
入団1年目の主役の涙
急にいなくならないでください 
衝撃の連絡 
バレエだけで食べていく 
史上初の快挙 
一緒にロシアへ行きませんか?

終わりに

■内容紹介

破たん寸前の苦境から「チケット即完売」の超人気バレエ団へ!
起死回生の一手は、リアルで過激な「ドキュメンタリーYouTube」だった――。
「トゥシューズを買うのも苦しい」週5バイトの新人バレリーナ、「コロナと戦争で解雇された」ロシアの元プロバレエ団員、批判殺到で「生きた心地がしなかった」芸術監督。個性豊かなダンサーたちと若き密着ディレクターが織りなす、涙と汗の青春ノンフィクション。

■著者紹介

渡邊永人(わたなべ・ひさと)
1995年神奈川県出身。20歳でテレビ番組制作会社に入社後、ディレクターとして「ハイパーハードボイルドグルメリポート」「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」等を担当。現在は『THE ROLAND SHOW』『進撃のノア』等のYouTube動画を手掛ける制作会社に所属。

■書籍データ



ティザー画像(実際の書影とは異なります)

【タイトル】崖っぷちの老舗バレエ団に密着取材したらヤバかった
【著者】渡邊永人
【発売日】2024年12月18日
【造本】四六変小、ソフトカバー
【本体定価】1,760円(税込)
【ISBN】 978-4-10- 355971-9
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/355971/
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