総図版1000点以上! 全気候帯・生息域のあらゆる生物を、生態系の繊細なシステムを明かしながら図解・詳説する、今までにない本格図鑑。
株式会社河出書房新社(本社:東京都新宿区 代表取締役:小野寺優)は、イギリスDK社による『気候と生態系でわかる 地球の生物 大図鑑』(原題 HABITATS: Discover Earth’s Precious Wild Places)を、2024年11月22日に発売する予定です。
動物図鑑や植物図鑑は無数に刊行されていますが、ほとんどの図鑑は生物ごとに焦点を当てて、それぞれを単体で紹介していくというものです。しかし、生物を単体で見ることは生物の生態と切り離してみてしまうことであり、「生きている生物」そのものを知る上では、無視することができない重要な点を見逃してしまいます。
本書は、生物が生活し、種を存続させている地球の環境、つまり「生息地・生態系(ハビタット)」から生物群を見ていく画期的な図鑑です。地球には、植生と地形によって10数種類の生息地があります。陸地が森になるか、草原になるか、または砂漠になるかは気候が決定します。さらに海の生態系は海岸からの深さが増すにつれて変化します。
本書冒頭では、地球に存在する10数種類の生息地(ハビタット)を世界地図で紹介(P.12-13「ハビタットの地図を作る」)
多種多様なこれらの生息地では、それぞれの環境に適応したさまざまな多様な生物が生活しています。深海、サンゴ礁、砂漠、熱帯雨林から都市に至るまで、それぞれの場所でさまざまな生物が相互に関係し、ユニークで繊細なバランスを保ちながら暮らしています。そしてこの生物どうしの関係性の積み重ねによって生態系が形作られており、この生態系ごとにシステムを見ていくことは、地球の生物を知る上でとても重要なことなのです。
本書では、地球上に多様にある生息地(ハビタット)ごとに章を立て、それぞれの生息地に棲み、影響しあっている生物(動物、植物、微生物、菌類)を取り上げていますので、興味深い生態や生物どうしの具体的かつ驚異的な関係を知ることができます。さらに、これらを貴重で珍しい写真約650点、図解や地図、グラフなど約360点という1000点を超える豊富な図版で紹介します。
各章の冒頭では、生息地の特徴やそこに生息する生物を紹介。生物自身がその生息地の中でもどのような場所で生きているのか、生存戦略や生物間での競争、適応について、動植物などの種別を超えて紹介していきます。これを知ることで、地球に驚くほど魅力的で多様な生物がいる理由を理解できると同時に、環境破壊による生物への壊滅的な影響や、自然の保全活動をする際に直面する課題をも知ることができます。
章の冒頭では、その生息地がある地域や生息地の概説が入ります(P.224-225「伝説の中で生まれた街」)
同じく章の冒頭で、生息環境の解説とそこに棲む代表的な生物も紹介(P.78-79「熱帯多雨林の仕組み」)
本書『気候と生態系でわかる 地球の生物 大図鑑』は、多種多様な生物が地球を覆う多種多様な生息地でどのように機能しているのか、生物どうしがどのように結びついて生命の物語を育んでいるのかを紹介します。そしてそこに棲む生物たちによって、その生息地自体が構築されているということも理解できます。本書は、地球、環境、気候、多様性といった多くの観点から豊かな生物の命そのものを捉えていく、これまでにはない全く新しい生物図鑑です。
■本書の特徴
- 世界に分布する気候帯と植生に基づく生息地(ハビタット)ごとに、各生態系の特徴を具体的に紹介する本邦初の図鑑。
- 生態系の微妙で繊細なバランスや、生物多様性の重要性を具体的に掘り下げて解説。
- 微生物、菌類、無脊椎動物、植物、昆虫、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類まで、地球上の全生物を網羅。気候帯別の興味深い生態や、具体的な生物どうしの驚異的な関係を紹介。
- 珍しく貴重な写真を約650点、わかりやすい図解や地図、グラフなど約360点収録。
- 人間による生態系の破壊と分断による絶滅危機や環境破壊についての警告と、環境保護活動の解説。
■本文より
・本文では動植物などの種別を超えて、その生息地に生きる生物を紹介します。
P.72-73「地中海性低木林」の生息地を紹介する章より
P.286-287「岩石海岸」の生息地を紹介する章より
P.358-359「町や都市」の生息地を紹介する章より
■山極壽一氏(日本語版監修)より
全体にとても美しい写真と分かりやすい図で構成されており、非常に魅力的で読みやすい。また、これまであまり知られていなかった動植物の生態や相互の関係が記されているので、多くの人の興味を惹きつけると期待している。
■目次
序文
ハビタットとは何か?/ハビタットの地図を作る/ハビタットにはどのような違いがあるか/ハビタットのしくみ/危機に瀕するハビタット
緑の陸地
北方林/温帯広葉樹林/温帯針葉樹林/地中海性低木林/熱帯多雨林/熱帯乾生林/熱帯針葉樹林/温帯草原/熱帯草原
隔絶された世界
島/亜南極の陸地/高山地帯/流れのある淡水/湖と池/地下のハビタット/淡水の湿地
極端な条件下
人為的なハビタット/極地/砂漠/乾生低木林/塩湖/マングローヴと塩性湿地/岩石海岸/砂浜と干潟
大海原
ケルプの森と海草の藻場/サンゴ礁/沿岸海域/外洋/海底
人為的なハビタット
耕作地と牧草地/町や都市
索引/図版出典
■執筆者等紹介
序文:クリス・パッカム(Chris Packham)
博物学者、キャスター、作家、写真家、自然保護活動家。
監修:ジュリア・シュローダー博士(Dr. Julia Schroeder)
オランダのフローニンゲン大学でPhD 取得。2012 年から2017 年まで、ドイツのマックス・プランク鳥類学研究所で研究チームのリーダーを務める。現在、インペリアル・カレッジ・ロンドンにおいて進化生物学の研究を行い、教鞭をとる。
主執筆:デレク・ハーヴェイ(Derek Harvey)
博物学者、教師。進化生物学が主たる関心分野。動物学でイギリスのリヴァプール大学を卒業。多くの生物学者を教育し、学生たちを導いてコスタリカ、マダガスカル、オーストララシアを探検した。現在は、執筆と科学や博物学の書籍のコンサルティングを中心に活動している。
■日本語版監修
山極壽一(やまぎわ・じゅいち)
1952年生まれ。人類学者。総合地球環境学研究所所長。京都大学大学院理学研究科博士課 程単位取得退学、理学博士。サルやゴリラの生態と社会から人類の社会性の起源を探る。日本モンキーセンターリサーチフェロー、京都大学霊長類研究所助手、京都大学大学院理学研究科助教授、教授を経て、2020年まで京都大学総長。国際霊長類学会会長、国立大学協会会長、日本学術会議会長などを歴任。著書に『家族進化論』、『暴力はどこからきたか』、『共感革命──社交する人類の進化と未来』など多数。
■書誌情報
書名:気候と生態系でわかる 地球の生物 大図鑑
序文:クリス・パッカム
監修:ジュリア・シュローダー
日本語版監修:山極壽一
仕様:A4変型判/上製/376ページ/オールカラー
初版発売日:2024年11月22日
定価:9680円(本体8800円)
ISBN:978-4-309-25471-5
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309254715/
出版社:河出書房新社
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