■3Dデータで蘇る故郷の記憶 「大熊町3Dデジタルアーカイブプロジェクト」第一弾

 大熊町(町長:吉田 淳)と大和ハウスグループの南国アールスタジオ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:秦 勝敏、以下「南国アールスタジオ」)は、「大熊町3Dデジタルアーカイブプロジェクト」第一弾として、現在解体工事中の「大熊町文化センター」(福島県大熊町)と、同施設に設置されていた町の景勝地「馬の背岬」(※1)を描いた緞帳(どんちょう)(※2)を、南国アールスタジオが展開するメタバースプラットフォーム「WHITEROOM(ホワイトルーム)」内で、「バーチャル文化センター」として再現しました。  なお、「バーチャル文化センター」は、2024年11月2日(土)に大熊町役場 本庁舎前広場で開催される「大熊町ふるさとまつり2024」にて体験でき、2025年3月頃に大熊町ホームページで公開される予定です。 ※1. 現在は帰還困難区域に含まれ、町民も含めて立ち入りが制限されています。 ※2. 厚手の生地で作られた布で、一般的には劇場などの舞台と観客席を区切る、上下に開閉する幕のこと。



 「大熊町文化センター」は、1992年4月に開館して以来、町民に親しまれてきましたが、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響から現在では解体が進められています。そのような中、解体中の「大熊町文化センター」と同施設に設置されていた町の景勝地「馬の背岬」を描いた緞帳を継承するため、南国アールススタジオが高性能3Dレーザースキャナで詳細に計測。両者は、当データを活用し、最新のデジタル技術を駆使した「バーチャル文化センター」として再現することとしました。
 「バーチャル文化センター」は、避難先で暮らす大熊町民はもちろん、大熊町に関わりをもつ方々が、バーチャル空間で再現された施設に触れ、過去の思い出や未来への希望を共有することができます。
 2024年11月2日(土)に開催される「大熊町ふるさとまつり2024」にて体験できるとともに、スマートフォンをはじめ、タブレットやパソコンなどからもアクセスできるよう、2025年3月頃に大熊町ホームページで公開予定です。
 両者は、「大熊町3Dデジタルアーカイブプロジェクト」において、最新のデジタル技術によって地域の絆を深め、未来へ向けた新たな一歩を支えるとともに、大熊町の復興を象徴する取り組みを推進し、歴史を継承していきます。

■概要
・景勝地「馬の背岬」を描いた西陣織の緞帳がバーチャルで復活
 「バーチャル文化センター」では、町の景勝地「馬の背岬」が描かれた緞帳を実物のように体感することができます。
 「大熊町文化センター」では、1992年4月の開館時、東京電力ホールディングス株式会社から縦8.3m、横16.4mの西陣織の緞帳が寄贈され、長年にわたり町民に親しまれてきました。
 緞帳は「大熊町文化センター」の解体工事に伴い、さまざまな利活用が検討されましたが、保存方法などの問題から廃棄されることとなりました。
 2023年7月25日に緞帳の見納め会が行われた際に、南国アールスタジオが高性能3Dレーザースキャナで詳細に計測。施設全体とともに緞帳を3Dデータとしてバーチャル空間に再現しました。

・大熊町の歴史と共に歩む未来
 「バーチャル文化センター」のホワイエには、東日本大震災前の大熊町の様子を知ることができる動画や資料が展示されています。語り部により受け継がれる大熊町の歴史を360度動画で体感できる展示もあり、かつての町の姿や記憶を次世代に伝える意義を実感できます。また、「大熊町文化センター」で行われたイベントの写真や動画が展示されるとともに、「バーチャル文化センター」の来館者は展示物にバーチャル空間でコメントできるため、思い出や感想を共有する対話型のコミュニケーションも可能です。


■「大熊町ふるさとまつり2024」について
 「大熊町ふるさとまつり2024」では、お笑いライブや歌謡ショー、子どもたちも遊べる遊具やキャラクターショーなど、皆さんに楽しんでいただけるイベントを開催するほか、大熊町に関わる各団体のブースが並びます。このブースの一つとして、専用VRゴーグル等で「バーチャル文化センター」を体験するブースを設置します。

日時:2024年11月2日(土)10時00分~16時00分
場所:大熊町役場 本庁舎前広場



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