~マイボトル利用者が最大約35%増加し、ペットボトル利用量の1/3相当を削減~

 日鉄興和不動産株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:三輪 正浩)は、マイボトルの利用を促進するプロジェクト「Building 2 Bottle(以下、本プロジェクト)」によるマイボトルの普及について、効果を検証し、その結果を公表しました。
 なお、この検証結果を基に、2024年10月28日(月)~11月8日(金)の期間、赤坂インターシティAIR(東京都港区赤坂1丁目8−1)にて、海ごみをモチーフにアート作品やプロジェクトを展開する現代美術作家の藤元明氏の作品を用いて、ペットボトル削減効果の見える化を実施しております。

▲赤坂インターシティAIR 2Fオフィスラウンジ


■「Building 2 Bottle」プロジェクトの取り組み
 本プロジェクトは、オフィスワーカーの「実現可能な環境アクション」の設計を目的としており、企業や個人が継続できる仕組みを提供することでマイボトルの普及促進を通じて、利用者の環境意識を向上させ、ペットボトルやプラカップなどの廃棄物の量を削減し脱炭素社会の実現に貢献します。
 本プロジェクトでは、象印マイボトル洗浄機の設置と無料飲料の提供によりマイボトルが自然と手間なく使える環境の構築を行う「テナント向けプログラム」を実施し、利用環境の整備がマイボトルの利用状況に与える影響を確認しております。

■プロジェクト実施結果概要
- マイボトル洗浄機や給茶機の設置等のマイボトル利用環境の整備により、プロジェクト開始前と比較して、20~30%程度マイボトルの利用者が増加した。
- マイボトル利用の継続性についても、80%以上がマイボトルを継続的に利用できると感じており、利用環境の整備がマイボトルの継続的な利用に与える影響は大きい。
- マイボトル洗浄機と給茶機をセットで設置した場合と、マイボトル洗浄機のみ設置した場合とでは、洗浄機の利用回数に最大で約4倍の差が出ており、セットで設置することでより高い効果が得られる。
- 1フロアに対して、1台の給茶機とマイボトル洗浄機を設置した環境下では、平均して1日当たり500mlペットボトル50.4本分の給茶機の利用があり、これは1日の1フロア当たりの想定ペットボトル排出量(※)の約1/3の量に相当する。

※ペットボトル1本を25gと想定し、2023年度のペットボトル排出量26.9tをオフィスフロア数と240日で割った数字

 今回の実施結果を受けて、この取り組みを企業のSDGsを推進するオフィスサービスとして広げていくことで、マイボトルを使うというアクションをオフィスワーカーの文化として定着させ、オフィスのペットボトルやプラカップなどの廃棄物削減効果が期待できます。
 今後も、暮らしのさまざまなシーンを生活者視点で見つめ、研究し、人生を豊かにする「新しい価値」を生み出すために、働く社員の「働き方」にもしっかりとアプローチした取り組みを実施してまいります。

■プロジェクトの実施結果について
【実施概要】
 プロジェクト名:「Building 2 Bottle」プロジェクト
 場所     :赤坂インターシティAIR(東京都港区赤坂1丁目8−1)
 期間     :2024年8月26日(月)~10月31日(木)
 ※詳細は下記公式ホームページよりご確認ください。
 https://www.nskre.co.jp/lifedesignlab/b2b/

【Building 2 Bottleプロジェクトでの環境構築】
 マイボトルを使わない理由を減らし、マイボトルを使う理由を増やすために、4つのテナントにマイボトル洗浄機、給茶機を設置し、1テナント当たり100本のマイボトルを配布しました。




【プロジェクト実施結果詳細】
1.アンケート調査結果
 「テナント向けプログラム」に参加した4社の社員を対象にアンケート調査を実施した。その結果、プロジェクト開始前と開始後では週4日以上マイボトルを利用する人の割合が23.0%増加し、テナント毎の集計では約36.6%増加したテナントもあった。また、マイボトルの利用の継続性についても85.6%が継続的に利用できると感じでおり、マイボトルの利用環境を整えることで、自然とマイボトルを利用できる環境構築ができていると考えられる。
 また、マイボトルを利用するようになった理由として、マイボトル洗浄機等の設備の設置(39.6%)に次いで、マイボトルが配布されたこと(37.1%)が上がっており、利用環境の整備とともに、マイボトルを使い始めるきかっけづくりも必要となる。
 なお、本プロジェクト期間中に76.2%の社員がマイボトルのアレンジや飲む飲料などを話題としており、マイボトルの利用が社員間のコミュニケーションの増加にも寄与していると考えられる。







2.マイボトル洗浄機、給茶機の利用回数調査
 設置環境の異なる4社のマイボトル洗浄機の利用状況を調査した。その結果、下表の通り、マイボトル洗浄機と給茶機をセットで設置した場合、利用回数が最も多いテナントAで平均54回/日に対して、マイボトル洗浄機を独立して設置したテナントDは平均13回/日となった。最大で約4倍、マイボトル洗浄機の利用回数の差が出ていることから、洗浄機と給茶機をセットで設置することによりマイボトル利用率が上がると考えられる。
 また、マイボトル洗浄機の設置場所以外にも給茶機が設置されているテナントCでは、マイボトル洗浄機の洗浄回数は平均27回/日と半分程度の利用に留まっているが、給茶機の利用回数は、両テナントともマイボトル洗浄機の利用回数の約3倍となっていることから、給茶機を利用する人数によって、マイボトル洗浄機の利用回数も増減すると考えられる。
 テナントAのように、1フロアに対して1台の給茶機とマイボトル洗浄機を設置した環境下では、平均180杯/日の給茶機の利用があり、これらの利用がペットボトル利用の代替になっていると想定すると、1日当たり500mlペットボトル50.4本分の排出量の削減ができていると考えられる。これは1日の1フロア当たりの想定ペットボトル排出量約1/3の量に相当し、1年間実施した場合、約300kgのペットボトルを削減できる。




■アートによる見える化について
 「Building 2 Bottle」プロジェクトを通じて、1フロア当たりの年間ペットボトル消費量の1/3に当たる約300kgのペットボトルを削減できることが分かりました。
 普段の人々の生活の中で、目に見えないこの300kgという削減量に輪郭を与えるべく、アーティスト藤元明氏のプロジェクトである日本の社会からは見えない、あるいは外れてしまった海岸に打ち上げられ続ける海洋プラスチックを現地で溶かして抽象絵画を描き、その作品たちを用いたインスタレーション作品である「海のバベル」を“1フロア1年分の1/3”の重量に合わせて展示しています。
 エレベーターホールの中央に立ちはだかる本作品は、その現状を人々に知られないことによりオフィスの中で生起し続けている海ごみの問題や、自然と人間社会との狭間で起こる可能性を可視化し、人々と社会との関係を問いかけています。
・展示期間:2024年10月28日(月)~2024年11月8日(金)
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