瀬尾まいこさんから推薦コメントも
『雫』書影(装幀:岡本歌織〈next door design〉)
寺地はるなさんの最新小説『雫』が11月6日にNHK出版より発売になります。書店さまからの事前注文好調につき、発売前に大増刷が決まりました。2023年本屋大賞ノミネート作家、寺地さんの真骨頂が光る感動長編。不器用でもひたむきに生きる人々の巡る想いと“つながり”、新たな始まりを描く一冊。ままならないいまを生きるあなたにエールを贈る、大人の青春小説です。
今日が、雨でよかった――時を超え、かたちを変えて巡る、“つながり”と再生の物語。
ビルの取り壊しに伴うリフォームジュエリー会社の廃業という“終わり”から始まる物語。中学の卒業制作づくりをきっかけに知り合った、親友とも恋人とも異なる距離感の同級生たち4人の30年の年月の中で訪れるさまざまな出来事を、遡りながら彼らの背景や心の移ろいを掘り下げていく新しい読み心地の一作。新たな息吹を得て生まれ変わり、受け継がれるジュエリー。人から人へとつながっていく想い。移ろう時間の中で連綿と続く人から人への「つながり」の尊さを描いた現代を生きる私たちの等身大の物語です。
書店さまより事前注文多数いただき、発売前に大増刷が決定しました。ぜひ、書店で手に取ってください。
瀬尾まいこさん推薦!
ジュエリーが形を変え輝くように、少しずつでも歩みを進めれば光を絶やさない雫に触れられることをこの作品は教えてくれる。
著者・寺地はるなさんからメッセージ
はじまりがあるから終わりがある。終わりがあるからはじまりがある。わたしたちはすべての終わりとはじまりを繰り返しながら生きています。
わたしはそれを、永遠と呼びます。
『雫』はリフォームジュエリーにまつわる、四人の男女の三十年にわたる物語です。
彼らの「終わり」からはじまった物語は過去へとさかのぼり、しだいに「はじまり」があきらかになっていきます。
大切な人から受け継いだ古い宝石が新しい姿に生まれ変わるということが彼らの人生にどのような意味を与えるのか。彼らはなにを失い、なにを得るのか。誰と手を繋ぎ、どんな夢を見るのか。ぜひ読んで確かめてみてください。
雫型のラピスラズリのネックレスを身につけた、寺地はるなさん
『雫』について
出会い、卒業、就職、結婚、親子、別れ……。中学の卒業制作づくりで出会った4人がそれぞれ直面する数々の選択と、その先にある転機、人生のままならなさ。不器用に、でもひたむきに現実に向き合う彼らの生きざまを通して、人の弱さにそっと寄り添いながら日々の小さな不安や違和感を丁寧に掬い取る、いまを生きるあなたにエールを贈る大人の青春小説です。
「NetGalley」では高評価★レビュー続出!
NetGalleyで事前に原稿を読まれた方のレビューを一部ご紹介します。
読み終えた後、もう一度読み返したくなる作品でした。ジュエリーデザイナーの永瀬の視点から、1995年から2025年までの30年間に中学の同級生4人に起こった出来事が垣間見られる。2025年が最初の章で、物語は5年刻みで徐々に過去に遡っていきます。4人の決して親密というわけではないけれど、互いに信頼しているのを感じれば感じるほど、第1章を思い出して、悲しくなってしまっていましたが、読後はとても温かな気持ちになりました。4人だけでなく、周囲の人々も魅力的で、出てくる人皆の側にそっと寄り添いたくなるような、そして、私自身も寄り添ってもらえたような、そんな作品でした。【書店関係者】
人生最期に何を読むかと問われたら、間違いなくこの作品だと答える。認められない所もあるし、全部が好きでもない。いつでも一緒に居たいわけじゃないし、鬱陶しい時もある。でも、お守りのように安心感を与えてくれる繋がり、自分らしくいられる関係性ってある。登場人物達はみんな不器用だ。その不器用さがリアルで、永瀬さんとも、高峰とも、森くんとも、しずくとも、自分を重ね合わせて見てしまう。気持ちがピタッと当てはまるのだ。私も雨の日が好きだ。放つ台詞が深く強く胸に響く。共感の涙が溢れて止まらなかった。【書店関係者】
いろいろあっても長く繋がっていられる友達っていいな、と思った。互いに相手の性格が分かっていて、それぞれの生き方を尊重しながらも、事あるごとに自然に気にかけフォローし合える間柄は、人生の宝と言えると思う。宝石リフォームの自社ビルで働く社長とデザイナー、そのテナントで働く職人と印刷会社社員の4人の30年を、遡る形で描く。主人公・珠の感じた思いや、彼らの中学時代の美術の先生の言葉など、寺地さんのグッとくるセリフがそこかしこで胸に迫る。人が自分として生きていくことを何処までも肯定してくれる、共感と希望の物語。今回も超おすすめ!【図書館関係者】
人生の岐路に立ったジュエリーデザイナーの珠が、中学で出会った3人との交流を軸に45歳までの30年を遡っていく、青春と門出の物語。逆再生の面白さが全面に出た作品。結末(未来)を知りたくて急く気持ちと、過程(過去)への好奇心から生まれる高鳴りと、両方に掴まれて夢中になった。たくさん出てくる過去と未来とが繋がる瞬間が劇的でないのも、この作品の温度感を表していて、とても心地好かった。タイトルの『雫』がいくつもの要素にかかっているのも素敵。ポジティブとネガティブ、表裏一体の心の裡を、ちぐはぐな4人組が曝け出し合う不器用さも愛しく思えた。急ぎ過ぎて苦しくなっている時こそ、過去のエネルギーに頼るのも良いのかも。ありのままを受け入れてもらえた気がした。【教育関係者】
読み終わってぽかぽかと心が温かくなってます。すごく良かった。ジュエリーデザイナーの永瀬と、彼女の幼馴染の高峰、森、しずくの四人の30年間の歩みが、5年刻みで時を遡りながら描かれる。何とも不器用な四人だけど、友に向ける視線はどこまでも優しいし、田村先生をはじめ周りの人たちも素敵でした。「だいじょうぶだからね」と言葉で伝えることは本当に大切ですね。四人の会話も楽しくて、何度も読み返したくなる話でした。出会えたことを感謝したくなる一冊になりました。【レビュアー】
(NetGalley会員レビューより一部抜粋)
※「NetGalley」(ネットギャリー)とは、出版社が提供する発売前の作品をデジタルデータで読めるサービスです。
『雫』特設ページ
続々と寄せられた、全国の書店員さんからの推薦コメントを特設ページにてご紹介しています。今後も本書への推薦・応援コメントや最新情報などを随時更新いたします。
『雫』寺地はるな
書店さま店頭用POP
著者紹介
寺地はるな(てらち・はるな)
1977年佐賀県生まれ、大阪府在住。2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。21 年『水を縫う』で河合隼雄物語賞受賞。23年『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞9位入賞。『わたしたちに翼はいらない』『こまどりたちが歌うなら』『いつか月夜』など著書多数。
商品情報
『雫』著者:寺地はるな
出版社:NHK出版
定価:1,870円(税込)
発売日:2024年11月6日
判型:四六判並製
ページ数:288ページ
ISBN:978-4-14-005748-3
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