靴にも“スマート化”の波が(画像はイメージ)

身体に身に着けて、健康管理などさまざまなことができるウェアラブルデバイス。腕時計型やメガネ型、ヘッドセット型など多種多様な形状のものがあるが、近年は「靴」も“スマート化”している。外出時には必ず履く「靴」にフォーカスした“スマートシューズ”。一体どのような機能を備えているのか解説していこう。

靴にも“スマート化”の波が

(画像はイメージ)

靴から得たデータで心身の状態がわかる?

まず紹介するのは、アシックスがORPHEと共同開発した「RUNWALK ORPHE」だ。スマートシューズというと真っ先に運動関係が連想されるが、「RUNWALK ORPHE」はアッパーに高級感のあるソフトガラスレザーを採用したビジネスシューズ。形は汎用性の高いプレーントゥで、どんなスーツにもスタイリングできる。

ソールに内蔵されたセンサーによって、歩数や歩行距離などの「量的情報」以外に、歩くスピードや歩幅、接地角度、立脚時間などの「質的情報」も取得。それらを組み合わせることで、「心」と「体」の両方の状態についてパーソナライズされた評価コメントがアプリに表示される。また手動計測モードを使って、30秒で歩行状態を確認、可視化することも可能。“悪い歩き方”のクセを簡単にチェックできる。かかとにはアシックスの衝撃緩衝機能「GEL」テクノロジーを取り入れていて、機能性にもこだわっているのが特徴だ。

「靴挿入型IoT歩行ナビ」を開発したのはAshirase。靴に装着する小型のデバイスとiPhone用アプリを用いて、視覚障がい者の歩行をサポートする画期的なナビゲーションシステムだ。アプリで目的地を設定してナビゲーションを開始すれば、靴に取り付けたデバイスが振動で正しい方向を案内する。

他にもアプリでは一度歩いた道を記憶するマイルート機能や、呼びかけるだけで最適なスポットをAIが答える「発話型AIスポット機能」などがあり、視覚障がい者の外出をさまざまな面からサポートしてくれる。

歩行情報の分析を通して、健康管理から視覚障がい者のサポートまで多岐にわたって進化する“スマートシューズ”。今後、どのような進化を遂げていくのかに期待したい。(フリーライター・佐々木剛)

■Profile

佐々木剛

大手メーカーに勤務後、一念発起してウェブメディア業界に転職。その後フリーライターとして独立し、現在に至る。メーカー時代の経験を活かし、テクノロジー、機械、技術系中心に執筆。